この10年で7度目のトレード
11日、巨人・大累進と日本ハム・乾真大とのトレードが成立した。巨人の左投手不足と、日本ハムの内外野に故障者が続出したことを受けてのトレードとなる。ちなみに、巨人と日本ハムのトレードは、直近10年で7度目。ここ3年は、3年連続で行われている。
巨人と日本ハムの過去のトレードを振り返ると、日本ハムにチーム名を変更してから最初に成立したのが1975年オフに行われた巨人・高橋一三、富田勝と日本ハム・張本勲のトレードだ。
高橋は巨人V9時代、堀内恒夫とともに主力投手として活躍。一方、法政大学時代に山本浩二、田淵幸一とともに“法政三羽ガラス”と呼ばれた富田は、南海から巨人に移籍後、出場機会を減らしていた。また、日本ハムから巨人へ移籍した張本は、66年から74年まで9年連続で打率3割を記録するなど、球界屈指の安打製造機として活躍。巨人移籍後は長嶋監督の下で2度の優勝に貢献した。
また、89年のシーズン途中には、80年代の巨人で抑えとして活躍した角盈男が、無償トレードで日本ハムへ移籍。当時左投手が不足していた日本ハムのチーム事情によって移籍した角は、巨人時代のリリーフではなく先発を務めて3勝を挙げた。
その後、後楽園球場、東京ドームと同じ本拠地で戦いながら、10年近く巨人と日本ハムのトレードは行われなかったが、21世紀に入ってからは、再びトレードが頻繁に行われるようになった。その中でも話題となったのが、08年オフに行われた巨人の林昌範、二岡智宏と、日本ハムのマイケル、工藤隆人のトレードだ。
林は巨人時代、05年から3年連続で40試合に登板するなど左腕のセットアッパーとして活躍。二岡は08年に選手会長を務めるなど中心選手だったが、故障や坂本の台頭などもあり、出場機会を減らしていた。一方、マイケルは日本ハムの守護神として06年、07年のリーグ優勝に大きく貢献。08年も引き続き抑えを務め、同年に通算100セーブを達成するなど、チームに欠かせない存在だっただけに、大きな衝撃を与えた。
その他にも、06年の巨人・岡島秀樹と日本ハム・実松一成、古城茂幸。15年には、巨人・須永英輝と矢野謙次、日本ハム・矢貫俊之と北篤による2対2のトレードなどが行われている。これまでに両チーム間で行われた移籍は以下のとおり。
巨人と日本ハムのトレード史
●1975年
【巨人】高橋一三、富田勝 ←→ 張本勲【日本ハム】
●1976年
【巨人】山下司 ←→ 無償【日本ハム】
●1985年
【巨人】西本和美 ←→ 山本勝哉【日本ハム】
●1989年
【巨人】角盈男 ←→ 無償【日本ハム】
【巨人】金銭 ←→ 山崎章弘【日本ハム】
●2003年
【巨人】入来祐作 ←→ 井出竜也【日本ハム】
●2004年
【巨人】河本育之 ←→ 中村隼人【日本ハム】
●2005年
【巨人】金銭 ←→ 伊達昌司【日本ハム】
●2006年
【巨人】岡島秀樹 ←→ 実松一成、古城茂幸【日本ハム】
●2008年
【巨人】林昌範、二岡智宏 ←→ マイケル中村(MICHEAL)、工藤隆人【日本ハム】
●2009年
【巨人】岩舘学 ←→ 金銭【日本ハム】
●2010年
【巨人】オビスポ ←→ 須永英輝、紺田敏正【日本ハム】
●2011年
【巨人】金銭 ←→ 高橋信二【日本ハム】
●2013年
【巨人】市川友也 ←→ 金銭【日本ハム】
●2015年
【巨人】須永英輝、矢野謙次 ←→ 矢貫俊之、北篤【日本ハム】
●2016年
【巨人】大累進 ←→ 乾真大【日本ハム】