今年は巨人とロッテが「10勝一番乗り」
プロ野球2016年シーズンも、まもなく開幕から3週間を迎える。各チーム徐々に勢いの差が見え始めてくる時期であるが、そんな中で好スタートを切ったのが巨人とロッテだ。
巨人は14日、神宮球場でのヤクルト戦に8-0で勝利。エース・菅野智之が2試合連続で完封勝利を成し遂げ、昨季王者を敵地で圧倒。今シーズン10勝目を挙げた。
これにより、巨人がセ・リーグの「10勝一番乗り」チームに。球団としては優勝した2013年以来で3年ぶり。新人監督による「10勝一番乗り」達成は、1リーグ時代を含めても球団史上初という快挙だった。
また、同日にパ・リーグの方でも「10勝一番乗り」を決めた球団が出た。それがロッテである。
敵地での楽天戦。自慢のリリーフ陣の活躍もあって5-4と競り勝ち、今シーズンの10勝目。ロッテの「10勝一番乗り」は、3位からの“下克上”で日本一になった2010年以来で6年ぶりのことになる。
さらにその前の日本一だった2005年、前後期制だった1974年、そして1950年と、これまで日本一になった年はすべて「10勝一番乗り」を達成していたというデータもある。良いジンクスを味方に、頂点まで突っ走ることができるだろうか。
「10勝一番乗り」の価値
毎年このくらいの時期になると、この「10勝一番乗り」というワードが飛び交うようになるが、果たしてこれを達成するとどれだけ良いことがあるのだろうか。
今回は過去10年のセ・パ両リーグで、「10勝一番乗り」を達成したチームを調査。そのチームは最終的に何位でシーズンを終えたのかを調べてみた。
● 2006年
・セ:巨人
10勝2敗(4月13日)→ 4位(65勝79敗2分)
・パ:西武
10勝3敗(4月9日)→2位(80勝54敗2分)
● 2007年
・セ:巨人
10勝7敗(4月18日)→ 1位(80勝63敗1分)
・パ:西武
10勝4敗1分(4月11日)→ 5位(66勝76敗2分)
● 2008年
・セ:阪神
10勝3敗(4月12日)→ 2位(83勝59敗3分)
・パ:西武
10勝6敗(4月8日)→ 1位(76勝64敗4分)※日本一
● 2009年
・セ:巨人
10勝3敗2分(4月21日)→ 1位(10勝6敗)※日本一
・パ:日本ハム
10勝7敗(4月17日)→ 1位(82勝60敗2分)
● 2010年
・セ:巨人
10勝5敗(4月11日)→ 3位(79勝64敗1分)
・パ:ロッテ
10勝3敗1分(4月7日)→ 3位(75勝67敗2分)※クライマックスシリーズを勝ち上がって日本一
● 2011年
・セ:ヤクルト
10勝5敗2分(5月1日)→ 2位(70勝59敗15分)
・パ:日本ハム
10勝5敗(4月30日)→ 2位(72勝65敗2分)
● 2012年
・セ:中日
10勝7敗3分(4月20日)→ 2位(75勝53敗16分)
・パ:日本ハム
10勝6敗(4月16日)→ 1位(74勝59敗11分)
● 2013年
・セ:巨人
10勝2敗2分(4月14日)→ 1位(84勝53敗7分)
・パ:西武
10勝5敗(4月14日)→ 2位(74勝66敗4分)
● 2014年
・セ:阪神
10勝6敗(4月15日)→ 2位(75勝68敗1分)
・パ:オリックス、ソフトバンク
10勝5敗(4月15日)→ オ=2位(80勝62敗2分)、ソ=1位(78勝60敗6分)※日本一
● 2015年
・セ:中日
10勝6敗(4月14日)→ 5位(62勝77敗4分)
・パ:日本ハム
10勝3敗(4月12日)→ 2位(79勝62敗2分)
※過去10年・21チーム
※最終順位=[7/9/2/1/2/0]
Aクラス入りは堅い!?
「10勝一番乗り」から優勝を収めたのは21チーム中7チームで、優勝確率にすると33%程度。日本一になったのは“下克上”のロッテを含めて4チームと、意外と少ないようにも思える。
それでも、全体的に見て大崩れしていないというのはひとつの安心材料か。「10勝一番乗り」から3位以内に入ったチームは18チームあり、“Aクラス率”は86%。「10勝一番乗り」ができるくらいの順調なスタートを切れば、クライマックスシリーズ出場圏はほぼほぼ堅いというのが近年の傾向として出ている。
過去10年間の結果に基づいたデータでしかない、と言われてしまえばそれまでなのだが、今後のシーズンを見ていく上でのネタにはなるだろう。
巨人とロッテがこのまま突っ走るのか、はたまた大どんでん返しが待っているのか...。好スタートを切った2チームに要注目だ。
● 2016年
・セ:巨人
10勝6敗1分(4月13日)→ ?
・パ:ロッテ
10勝5敗1分(4月13日)→ ?