田村は6月の月間打率.388
2位・ロッテは26日に行われた西武戦に、15安打10得点を奪い大勝。この3連戦を2勝1敗で勝ち越し、5カード連続で勝ち越しを決めた。
特にここへ来て、打線の好調さが目立つ。6月のチーム打率.298、102得点はいずれもリーグトップの成績。首位打者の角中勝也を始め、打率3割をキープするキャプテン・鈴木大地、25日の西武戦で特大なアーチを2本放ったデスパイネといった打線の核となる選手だけでなく、その他の選手も好調だ。
その中でも、交流戦前まで打率.188と沈んでいた4年目の田村龍弘の活躍が光る。6月は2試合で猛打賞を記録するなど、月間打率.388(67-26)をマークし、シーズンの打率も.262まで上昇した。伊東勤監督も田村の打撃について、「『右に打て、右に打て』と言ってきて、最近やっと話を聞くようになってきて結果がでてきた」と分析する。
今カードの西武戦では、25日の試合で1点を追う7回、一死満塁のチャンスで一時勝ち越しとなる2点タイムリーを放てば、26日は今季第1号を含む4安打3打点の活躍を見せた。
左打席で好結果を残す加藤
同日の試合で、「7番・中堅」で先発し、4安打を記録した加藤翔平も存在感を放つ。開幕は二軍スタートも、4月29日に昇格。5月は月間打率.216と結果を残せなかったが、交流戦が始まると、「パ・リーグとセ・リーグで攻め方の違いはあるが、1打席目で結果を多く残すことができて自信になった」と交流戦の打率.293を記録。
スタメン出場が増えている加藤だが、実は開幕前は悩んでいた。「去年は右打席の方が成績が良かったので、右対右もありなのかなということで試していた」と、開幕直前の3月2日のヤクルトとの教育リーグで右投手の館山昌平に対して、右打席に入るなど試行錯誤していた。
「良い右ピッチャーと当たって中々厳しいなという思いがあった」という理由で辞めたが、結果的に「右対右のイメージで打とうと左打席で試したら、すごく良いところがあった。やって意味のない挑戦ではなかった」と振り返る。26日の試合も左打席で2安打記録するなど、今季は右投手に対して打率.313をマーク。好調の打線を支えている。
新1、2番コンビも存在感
そして、ここ最近1、2番コンビを任されることの多い細谷圭と高浜卓也の存在も忘れてはならない。開幕一軍を掴んだプロ11年目の細谷圭は今季、開幕直後に3試合連続三塁打を放つ活躍を見せるも、4月下旬に一時調子を落とした時期もあった。それでも調子を取り戻し、6月は18日の巨人戦で4安打を記録するなど、月間打率.358(67-24)、1本塁打、8打点の成績を残す。
2番を打つことが増えた高浜は、打率こそ.255だが、勝負強さが光る。6月12日のヤクルト戦、1点を追う5回一死満塁のチャンスでは、打席前に角中から「今の打ち方だと全部フライになるから思いっきり叩きつける感覚で行け」というアドバイスをもらい、走者一掃のタイムリー二塁打を放ったこともあった。
試合前の練習では、「打ったときに体が開く癖を矯正するため」と昨年から立花義家打撃コーチとこの練習を試合前に始めた。「(体が開く)癖が出なくなったので、継続してやっている」。この継続がここへ来て、結果に繋がり始めている。
27日に東京ドーム、29日と30日にヤフオク・ドームで首位・ソフトバンクと対戦する。この大一番を前に打線の状態が上がってきたロッテ。主軸だけでなく、脇役の選手たちの活躍にも注目だ。