広島・野村はリーグ最多の12勝
今季も残すところ約50試合となったプロ野球。今年は不調に苦しんでいた選手の“復活”が目立つ。
たとえば、野村祐輔(広島)がその一人。明治大から11年ドラフト1位で広島に入団。1年目の12年に新人投手としては66年の堀内恒夫以来46年ぶりに防御率1点台を記録し、新人王を受賞した。2年目は12勝をマークし、球団初のCS出場に貢献。しかし、14年が7勝、15年も5勝止まり。前田健太(現ドジャース)とともに、将来はエースとして活躍が期待された右腕だったが、近年は低迷していた。
プロ5年目の今季は、前半戦から安定した投球を披露している。4月27日のヤクルト戦でプロ初完封勝利を挙げるなど、5月までで、昨季と並ぶ5勝をマーク。さらに5月25日の巨人戦から7月22日の阪神戦にかけて自身8連勝と、首位を走る広島のエース格として引っ張っている。
現在、故障で一軍登録抹消されているが、村中恭兵(ヤクルト)もそうだろう。村中は10年と12年に二ケタ勝利を達成したことのある左腕だが、昨季は一軍登板なし。二軍でも14試合に登板して、防御率8.33と精彩を欠き、背番号が「15」から「43」へ変更となった。今季は開幕直後の3月27日に昇格すると、リリーフとして存在感を見せる。また、6月30日の広島戦では先発し、5回を2失点に抑え、先発としての勝利も手にした。故障で離脱したが、ヤクルトの投手事情を考えると早期復帰が待たれる。
野手ではヤクルト・坂口が好調
野手では、坂口智隆(ヤクルト)が当てはまる。坂口はオリックス時代の11年に最多安打を獲得し、守備では08年から4年連続でゴールデングラブ賞を受賞。チームの顔と呼べる存在だったが、12年以降は故障や打撃不振に苦しみ、昨年オフにオリックスを退団。今季からヤクルトに加入した。新天地では、レギュラーの座を掴み、安打を量産する。7月に入ってから少し当たりが止まっているが、打率は.282を記録している。
その他にも、ビハインド、勝ち試合など役割問わず投げている今村猛(広島)、左のワンポイント・森福允彦(ソフトバンク)、ここまで6勝を挙げている内海哲也(巨人)などが“復活”した。