第98回 高校野球選手権大会
八戸学院光星 5 - 4 市尼崎
<1回戦 8月9日>
「第98回 全国高校野球選手権大会」は、9日に大会3日目を迎えた。第1試合には、甲子園のお膝元にある市尼崎(兵庫)が登場。ヤクルトで活躍した“ブンブン丸”こと池山隆寛(現楽天コーチ)を擁し、春夏通じて初出場を果たした1983年以来、実に33年ぶりの甲子園となったが、延長戦の末、八戸学院光星(青森)に4-5で惜敗。甲子園通算2勝目には届かなかった。
後攻の市尼崎は初回、二死二塁から4番・藤井倭(3年)がセンター前に運んで先制。幸先良くスタートを切ると、先発したエース・平林弘人(3年)も2回以降は毎回のように得点圏に走者を背負いながら要所は抑え、強力打線相手に得点を許さない。
しかし、打順が3巡目となった6回、平林がついに捕まる。6連打を含む7安打集中の猛攻を受けて1-4と逆転を許し、たちまち3点を追う展開となってしまう。
その中でも光ったのが、相手の武器である機動力を封じた守りだった。冷静な判断で、相手の積極的な走塁を幾度となく阻止。さらなる大量失点を喫していてもおかしくなかった中、ピンチの芽を摘み取り、反撃の機会をうかがった。
すると7回、下位打線の2年生コンビで1点を返す。8番・木森陽太がライト前二塁打で出塁すると、続く殿谷小次郎のセンター前ヒットで、木森が一気に三塁を回る好走塁。ホームを陥れ、2-4とした。
これに応えるように、エースが苦しみながらも踏ん張る。なんとか2点差を保って9回を迎えると、地元の大応援を受け、土壇場で追いつくことに成功する。
開会式で選手宣誓をしたキャプテンの6番・前田大輝(3年)がヒットで出塁すると、続く2年生キャッチャーの谷尻尚紀が左中間を破るタイムリーツーベースを放って3-4。1点差まで詰め寄る。
さらに犠打で谷尻が三塁まで進むと、殿谷がライトへきっちり犠飛を上げて同点。9回二死で試合を振り出しに戻し、今大会初の延長戦へと持ち込んだ。
一気に流れは市立尼崎かと思われたが、10回表に内野手の連続ファンブルと四球で二死満塁のピンチを招くと、一塁強襲の打球が内野安打となって失点。180球を超える力投を続けた平林も力尽き、この1点が決勝点となった。
驚異の粘りを見せたものの、最後は甲子園常連校の地力を前に屈す...。33年ぶりの出場となった市尼崎の夏は、初戦で幕を閉じた。
▼ 市立尼崎・竹本修監督
「本当に普通の子ども達でした。野球、甲子園を通じて成長した姿を見ることができて感謝しています。県の初戦で負けるようなチームが食らいつくようになり、チームの強みとなって、弱くても粘ることができた。それを十分に甲子園で出してくれた。平林は爪が割れるアクシデントがあったが、7回以降よく立ち直ってくれた」
八戸学院光星 5 - 4 市尼崎
<1回戦 8月9日>
「第98回 全国高校野球選手権大会」は、9日に大会3日目を迎えた。第1試合には、甲子園のお膝元にある市尼崎(兵庫)が登場。ヤクルトで活躍した“ブンブン丸”こと池山隆寛(現楽天コーチ)を擁し、春夏通じて初出場を果たした1983年以来、実に33年ぶりの甲子園となったが、延長戦の末、八戸学院光星(青森)に4-5で惜敗。甲子園通算2勝目には届かなかった。
後攻の市尼崎は初回、二死二塁から4番・藤井倭(3年)がセンター前に運んで先制。幸先良くスタートを切ると、先発したエース・平林弘人(3年)も2回以降は毎回のように得点圏に走者を背負いながら要所は抑え、強力打線相手に得点を許さない。
しかし、打順が3巡目となった6回、平林がついに捕まる。6連打を含む7安打集中の猛攻を受けて1-4と逆転を許し、たちまち3点を追う展開となってしまう。
その中でも光ったのが、相手の武器である機動力を封じた守りだった。冷静な判断で、相手の積極的な走塁を幾度となく阻止。さらなる大量失点を喫していてもおかしくなかった中、ピンチの芽を摘み取り、反撃の機会をうかがった。
すると7回、下位打線の2年生コンビで1点を返す。8番・木森陽太がライト前二塁打で出塁すると、続く殿谷小次郎のセンター前ヒットで、木森が一気に三塁を回る好走塁。ホームを陥れ、2-4とした。
これに応えるように、エースが苦しみながらも踏ん張る。なんとか2点差を保って9回を迎えると、地元の大応援を受け、土壇場で追いつくことに成功する。
開会式で選手宣誓をしたキャプテンの6番・前田大輝(3年)がヒットで出塁すると、続く2年生キャッチャーの谷尻尚紀が左中間を破るタイムリーツーベースを放って3-4。1点差まで詰め寄る。
さらに犠打で谷尻が三塁まで進むと、殿谷がライトへきっちり犠飛を上げて同点。9回二死で試合を振り出しに戻し、今大会初の延長戦へと持ち込んだ。
一気に流れは市立尼崎かと思われたが、10回表に内野手の連続ファンブルと四球で二死満塁のピンチを招くと、一塁強襲の打球が内野安打となって失点。180球を超える力投を続けた平林も力尽き、この1点が決勝点となった。
驚異の粘りを見せたものの、最後は甲子園常連校の地力を前に屈す...。33年ぶりの出場となった市尼崎の夏は、初戦で幕を閉じた。
▼ 市立尼崎・竹本修監督
「本当に普通の子ども達でした。野球、甲子園を通じて成長した姿を見ることができて感謝しています。県の初戦で負けるようなチームが食らいつくようになり、チームの強みとなって、弱くても粘ることができた。それを十分に甲子園で出してくれた。平林は爪が割れるアクシデントがあったが、7回以降よく立ち直ってくれた」