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“白河の関越え”に挑んだ青森の右腕 【あの夏のヒーロー】

今年も東北勢の悲願はならず...


 今年も、“白河の関越え”は果たせなかった……。

 18日の準々決勝、福島の聖光学院は南北海道の北海に敗れ、今年もベスト4進出はならず。この時点で東北地方の代表校は全滅となり、今年も深紅の優勝旗が白河の関を越えることはなかった。

 東北勢にとって悲願となっている甲子園での優勝。これに最も近づいたチームといえば、青森の八戸学院光星だろう。


悲願に最も近づいた2012年


 今から4年前の2012年――。この年に何があったかと言えば、大阪桐蔭の春夏連覇である。

 藤浪晋太郎や森友哉といったスター選手を擁し、実に史上7校目となる快挙達成。話題はそこに集中し、他の話題に関して取り上げられることは少なかった。

 当然であるが、勝者がいれば敗者もいる。この時の“最強桐蔭”に立ち向かっていたチームを覚えている方はいるだろうか。それこそが八戸学院光星である。

 ここで2012年・春と夏の決勝戦のランニングスコアをご覧いただこう。


【2012年春・決勝戦】
光星|002 010 000|3
桐蔭|203 000 11X|7

【2012年夏・決勝戦】
光星|000 000 000|0
桐蔭|000 120 00X|3


 そう、2012年の甲子園は、春夏ともに決勝戦が同じカードとなったのだ。2季つづけて決勝まで進みながらも、2度に渡って大阪桐蔭を前に涙を呑んだのが八戸学院光星だった。


 この時の光星のエースが金沢湧紀。春はリリーフとして5回2/3を投げて2失点(自責1)、夏は先発として7回を3失点(自責1)。大阪桐蔭の強力打線を相手に力投を見せたが、藤浪との投げ合いにはいずれも敗れている。

 夏に関しては、決して万全とは言えなかった右腕。センバツ後に足の疲労骨折が判明するなど、ケガや不調に苦しめられたものの、しっかりと復活。準々決勝で松井裕樹擁する桐光学園を相手に3安打完封を収めるなど、快投を披露した。

 また、今では地元選手の少なさを揶揄されることも少なくないチームの中、金沢は地元・青森の出身ということもあって、エースの活躍は東北地方の大きな希望となった。


“白河の関越え”とは


 さて、今年の夏も準決勝までが終了。決勝戦は作新学院と北海の対戦となり、「栃木vs北海道」に決定した。

 南北海道代表の北海は、全国最多37回目の甲子園出場にして初の決勝進出。もちろん勝てば初優勝となるが、北海道勢としては2005年夏に連覇を成し遂げた駒大苫小牧以来の優勝となる。そう、東北勢の優勝は未だないものの、優勝旗は北の大地までは渡っているのだ。

 このことから、長らく言われてきた“白河の関越え”は果たされたのでは、という意見も挙がったことがあったが、「白河の関」とは現在の福島県白河市旗宿のことであり、いわゆる東北地方への入り口を現すもの。北海道へ戻る際にはこの「白河の関」を通らないため、駒大苫小牧が2004年に北海道勢として初優勝を果たした時には、優勝旗の「津軽海峡越え」と表現されたのだった。

 ということで、今でも“白河の関越え”という言葉は残り、東北勢の悲願とされている。果たして、最初に東北に優勝旗を持ち帰るのはどの学校になるのか……。これからも毎年、夏が来るたびに思い出されることだろう。
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