1.5差接近
猛虎の逆襲がはじまった。
3位・DeNAとの直接対決に連勝し、ゲーム差は「1.5」。いよいよ逆転Aクラス入りも見えてきた。
金本知憲新監督の下、「超変革」のスローガンを掲げて戦ってきた新生・阪神。ここ数年は見られなかった若手の積極起用に踏み切り、一時は最下位に沈むこともあったが、再び浮上してきた。
DeNAとの対戦はあと7試合も残っており、直接対決の成績はここまで12勝5敗1分と好相性を発揮しているだけに、逆転でのCS進出に期待が高まっている。
命運握る“先発3本柱”
ここまでのチーム打率.245は12球団中11番目。ベテラン・福留孝介がリーグ4位の打率.324をマークして孤軍奮闘しているものの、規定到達の3割打者は福留だけ。続くのがルーキー・高山俊の.277という点も、今年の打線の苦しさを象徴している。
そんな貧打に苦しむ阪神が現在の位置につけられているのは、投手陣の頑張りが大きい。
チーム防御率3.53はリーグ3位。打撃十傑には1人しか名前が載っていないものの、投手の十傑には藤浪晋太郎、ランディ・メッセンジャー、能見篤史と3人の名前が載っている。
規定投球回をクリアしている投手が3人もいるのは、首位を走る広島と阪神の2チームだけ。しっかりとした3本柱が、野手陣の苦戦を埋めているのだ。
しかし、広島の方は規定到達の3人(ジョンソン、野村、黒田)で貯金16を稼ぎ出している一方、阪神は3人合わせて24勝27敗の借金3。いずれも防御率3点台と、本来の実力を発揮しているとは言い難い。
特に高卒4年目を迎えている藤浪は、3人の中では最も優れた防御率を記録しているものの、6勝9敗と3つの負け越し。24日のDeNA戦で3試合ぶりの勝利を挙げたが、ルーキーイヤーからの4年連続2ケタ勝利へ後がない状況がつづく。
勝負の9月戦線を戦い抜くためには、各自これまで以上の奮闘が必要不可欠。藤浪をはじめとする3人がどれだけ借金を減らしていけるのか...。“3本柱”が阪神の命運を握る。