“逆転”を支える影の立役者
“逆転の広島”――。今年はこのワードをしばしば目にする。
それもそのはず、ここまでに挙げた79勝のうち、実に40勝が逆転勝ち。ここ一番で勝負強さを発揮し、劣勢をはね退けてきた。
やはり打率(.276)と得点(622)で12球団No.1の数字を残している打線に注目が集まりがちであるが、その影で奮闘してきた立役者たちのことも忘れてはならない。
“逆転”ということは第一に打撃陣の活躍が不可欠であるのだが、それも最後まで試合を壊すことなく、逆転の芽を残し続ける男たちの奮闘があってこそ。その役割を存分に果たしているのが、今季の広島のリリーフ陣である。
方程式は鉄板!
いまや押しも押されぬ守護神に成長した中崎翔太と、新助っ人のジャクソンを軸に、今村猛や大瀬良大地、一岡竜司ら若く活きの良い投手が勢揃い。チームの救援防御率3.09はリーグトップの数字だ。シーズン途中からはヘーゲンズを先発に回す余裕すら見せ、まさに盤石の体制だと言える。
特にセットアッパーのジャクソンからストッパーの中崎へという方程式は鉄板。今シーズン2人が揃い踏みで投げた試合はなんと43勝7敗1分。勝率にして.860と圧巻の数字が残っているのだ。
個人としてもジャクソンは61試合の登板で防御率1.59と抜群の安定感を誇り、ホールドポイントはリーグ2位の38をマーク。中崎も58試合の登板で防御率は1.39。こちらもリーグ2位の31セーブを記録している。
MVP争いという点で見ると打撃陣の新井貴浩や鈴木誠也、先発のジョンソン、野村祐輔といったところが候補筆頭として挙がるが、こうしたリリーフ陣の奮闘があってこその快進撃であることは間違いない。
“影のMVP”と言っても過言ではない彼らの活躍を忘れてはならない。
【広島の主なリリーフ陣】
ジャクソン 61試合 5勝4敗 33ホールド(38HP) 防御率1.59
中崎翔太 58試合 3勝4敗 7ホールド(10HP) 31セーブ 防御率1.39
今村 猛 58試合 3勝4敗 18ホールド(21HP) 防御率2.64
一岡竜司 22試合 1勝1敗 2ホールド(3HP) 防御率2.29
オスカル 19試合 2勝0敗 1ホールド(3HP) 防御率8.15
永川勝浩 11試合 2勝0敗 1ホールド(3HP) 防御率6.30
大瀬良大地 9試合 3勝0敗 2ホールド(5HP) 防御率2.57
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チーム全体:28勝17敗 防御率3.09