ニュース 2016.09.14. 07:45

かつては投手王国だった中日 2007年から続いていた“ある”記録が今季で途切れる?

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中日の大野雄大

毎年のように“初”の二ケタ勝利者を輩出


 最下位に沈む中日。1980年以来、36年ぶりに二ケタ勝利投手達成者なしの可能性が高い中日だが、もう1つ投手のある記録が今季で途切れそうだ。

 それは、2007年から続いている“初”の二ケタ勝利投手の輩出だ。他球団を見ると、広島が13年に野村祐輔、14年に大瀬良大地、15年にジョンソンと3年連続で“初”の二ケタ勝利投手が誕生しているが、その他の球団は毎年のようにエース級の投手が顔を並べる。

 そんな中、中日は10年近くも毎年のように“初”の二ケタ勝利投手を輩出しているのだ。二ケタ勝利を達成した顔ぶれは、以下の通り。

【2007年】
中田賢一
成績:28試 14勝8敗 防3.59

【2008年】
吉見一起
成績:35試 10勝3敗 防3.23

【2009年】
川井雄太
成績:20試 11勝5敗 防3.97

【2010年】
チェン
成績:29試 13勝10敗 防2.87

浅尾拓也
成績:72試 12勝3敗1S 防1.68

【2011年】
ネルソン
成績:31試 10勝14敗 防2.54

【2012年】
山内壮馬
成績:24試 10勝7敗 防2.43

【2013年】
大野雄大
成績:25試 10勝10敗 防3.81

【2014年】
山井大介
成績:27試 13勝5敗 防3.21

【2015年】
若松駿太
成績:23試 10勝4敗 防2.12

吉見、大野はエース格に成長


 プロ3年目の08年に初めて二ケタ勝利に到達した吉見一起は、翌年に16勝を挙げ最多勝のタイトルを獲得。球団初の連覇を達成した10年と11年も二ケタ勝利を記録し、11年には2度目の最多勝に輝いた。吉見は08年から5年連続で二ケタ勝利を達成し、中日の大黒柱に成長した。

 09年に最優秀防御率のタイトルを獲得したチェンは、10年に自身初となる二ケタ13勝をマーク。右の吉見とともに、“Wエース”として球団初の連覇に大きく貢献した。12年から活躍の舞台をメジャーに移し、今季はマーリンズでプレーしている。

 プロ3年目の13年に初の二ケタ10勝を挙げた大野雄大は、昨季まで3年連続で二ケタ勝利を達成。今季はここまで7勝と、4年連続二ケタ勝利に黄色信号が灯っている。


その後、二ケタ勝利達成できなかった投手が多い?


 吉見、チェン、大野のように毎年のように軸として投げるようになった投手がいる一方で、その後二ケタ勝利に縁がない投手が多い。

 09年に球団新記録となる11勝を記録した川井は、10年以降は14年の6勝が最多。11年に10勝したネルソンは、翌12年は0勝に終わり自由契約。12年に10勝を挙げた山内壮馬は、13年以降は2勝しか挙げられず、15年に戦力外通告を受けた。

 連続して二ケタ勝利を挙げることが難しい中、毎年のように新たに二ケタ勝利を到達できる投手を輩出しているのは素晴らしいこと。4年連続シーズン負け越しが決まったが、投手力を立て直し、来季以降再び優勝争いに加われるようにしたいところだ。

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