栗山監督「どうしても欲しかった」
日本ハムは18日、前インディアンスの村田透の獲得を発表した。
2011年からの6年間をアメリカで過ごし、実に7年ぶりの日本復帰となる31歳右腕。球団を通じて「すぐにでもファイターズのユニフォームに袖を通しプレーしたいという思いで一杯です。ファンの皆様、応援をよろしくお願い申し上げます」と早くも来季への意気込みを語っている。
チームを率いる栗山英樹監督も「待ち焦がれていました。どうしてもほしかったピッチャー。苦労して自分を作り上げてきたところが本物だし、野球選手としての本質を感じている」と絶賛。「来シーズン、先発ローテーションに入ってくれると信じています」と期待を寄せた。
わずか3年でクビの絶望も...
村田は2007年の大学・社会人ドラフト1位で巨人に入団。大場翔太、篠田純平をクジ引きで外した末の、いわゆる“ハズレのハズレ”ではあったが、大体大出身ということで上原浩治と重ねて期待を受けた投手であった。
しかし、巨人の分厚い選手層の中ではなかなか芽を出すことが出来ず。結局、1度も一軍のマウンドを経験しないまま、2010年のオフに戦力外となってしまう。
ドラ1入団からわずか3年での非情な宣告。しかし、現役続行を目指してトライアウトを受験した男に待っていたのは意外な運命であった。
村田に声をかけたのは、メジャーリーグのクリーブランド・インディアンス。海の向こうからのオファーを受け、マイナー契約を結んだ男は渡米。そこから6年に及ぶ戦いがはじまった。
まずは“一軍初登板”を
チャンスが訪れたのは、渡米から5年目になる2015年のこと。
開幕から3Aで好投を続けると、6月に念願のメジャー昇格。初登板は3回1/3を5失点というほろ苦いものとなったが、マイナー契約から這い上がって夢を掴んだ男の姿は日本でも大きく取り上げられた。
なお、メジャーでの登板はその1度きりに終わるも、3Aでは15勝4敗、防御率2.90の好成績でリーグ最多勝に輝いている。
そして今年、3Aでは9勝4敗4セーブと引き続き好投を見せたが、ワールドシリーズまで登り詰めたチームの強力投手陣に割って入ることは出来ず。メジャー登板なしで終了。今後について考えていたところ、声をかけたのが日本ハムだったという。
「いち早くファイターズからお話があり、高い評価をいただいたのが入団の決意を固める要因になりました」という村田。日本での再出発は、日本一のチャンピオンチームで。まずは“一軍初登板”を目指し、新たな戦いがはじまる。
▼ 村田 透
生年月日:1985年5月20日(31歳)
身長/体重:183センチ/80キロ
投打:右投左打
ポジション:投手
経歴:大体大浪商高-大阪体育大-巨人(07年・大社D1)
[今季成績] 33試合(102回1/3) 9勝4敗4セーブ 防御率3.78
[通算成績] 164試合(675回2/3) 46勝28敗6セーブ 防御率3.76
※いずれもマイナーでの成績