コラム

日本復帰が現実味を帯びてきた松坂大輔の今季を振り返る

無断転載禁止
日本復帰も含め去就が注目される松坂大輔投手 [Getty Images]
松坂大輔 ,

オフに入り、一気に騒がしくなった松坂の去就 ソフトバンク入りが決定的と言われているが……?


 ストーブリーグに入り、ニューヨーク・メッツからFAとなった松坂大輔に関する話題が連日スポーツ新聞を賑わせている。ソフトバンクと横浜DeNAが獲得に名乗りを上げ、中でもソフトバンクは契約期間3年以上、出来高を含めた総額20億円を掲示し、一気に合意に至る可能性が高いとも言われている。

 9年ぶりの日本球界復帰となるか注目されるが、改めて松坂の今シーズンを振り返ってみたい。

 1月下旬にメッツとマイナー契約で再契約した松坂は、招待選手として参加したスプリングトレーニングで6試合に登板し、防御率3.04の成績を残した。「メジャー契約か」とも言われたが、開幕直前にAAA級ラスベガスへと移り、メジャー契約を結んだのは4月中旬のことだった。

 メジャー昇格後はリリーフとして起用され、4月20日のブレーブス戦で日米通算2000奪三振を到達。シーズン初先発となった5月25日のダイヤモンドバックス戦で2勝目を挙げると、6月から先発ローテーションに入り、7月12日のマリーンズ戦ではメジャー自己最多タイの1試合10奪三振を記録。松坂がメジャーで1試合2桁三振を奪ったのは、2007年にレッドソックスで3度マークして以来、実に7年ぶりのことだった。

 しかし、後半戦は再びリリーフとして起用され、7月下旬には右ヒジの炎症で故障者リスト入り。8月下旬に復帰したものの、シーズンの最後までリリーフとして起用は続き、通算では34試合に登板し3勝3敗1セーブ、防御率3.89と不完全燃焼のままシーズンを終えた。


ゴロ率はメジャー生活で最高の数値を記録!


 シーズン終了後に「先発としてやりたい」と強い希望を口にした松坂だが、ピッチングの内容に大きな変化が見られた。

 9イニングあたりの与四球率は5.40と、近年指摘されている制球難は改善されているとは言えないが、一方で、奪三振率8.42はメジャー8年間の中で2007年に次ぐ高い数値だ。リリーフでの起用が多く、短いイニングで強いボールを投げられたのも理由のひとつかもしれないが、球に力強さが戻ってきたのは確かだ。

 また、ゴロを打たせる率も上昇した。昨季までの松坂は、ゴロ率とフライ率を示すGB/FB(注1)が1.00を切る典型的なフライボールピッチャーだった。ところが、今季はGB/FBが1.04とメジャー8年目にして初めて1.00を上回り、ゴロ率も40%以上を記録した。その成果か、被本塁打率(9イニングあたりの被本塁打数)もメジャー生活最少の0.65と好成績を残している。投球を低めに集め、ゴロを打たせる投球術が磨かれてきたのである。

 獲得が噂されているソフトバンクは、五十嵐亮太や今季限りで退団となったが岡島秀樹と、メジャーから戻ってきた選手をうまく起用してきた実績がある。横浜DeNAは、言うまでもなく松坂が高校時代を過ごした地元だ。

 「松坂世代」と言われる選手で引退する選手も多くなってきた昨今。リーダー的存在の松坂自身も、メジャーで規定投球回に達したのは2008年が最後だ。松坂がもう一度メジャーで這い上がる姿を見たい気もするが、果たしてどのような選択をするのだろうか。

(注1) ゴロ/フライ比率(GB/FB )
セイバーメトリクスの指標のひとつで、ゴロ(GB)の総数をフライ(FB)の総数で割り、ゴロとフライの比率を調べる指標。同じ数の場合は1となり、これより数値が大きくなるほどゴロの割合が高く、数値が小さくなって0に近付くほどフライの割合が高い投手となる。

文=京都純典(みやこ・すみのり)
ツイート シェア 送る
  • ALL
  • De
  • 西