コラム 2020.03.29. 13:52

「新型コロナ」でドラフト候補がアピールの場を失う…相次ぐ中止や延期でスカウトが視察できない大問題

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JFE東日本・今川優馬(写真提供・プロアマ野球研究所)

高校野球、社会人野球は軒並み中止、大学野球は延期


 3月20日に開幕する予定だったプロ野球のペナントレースだが、新型コロナウィルスの影響で最短でも4月24日以降となることが濃厚となった。アマチュア球界も選抜高校野球が史上初の中止となっているが、それ以外の大会も延期、中止が相次いでいる。3月29日時点で発表されている情報をまとめてみた。

【高校野球】
選抜高校野球大会:中止
春季関東大会:中止
春季東海大会:中止
春季四国大会:中止
春季九州大会:4月18日の予定だった開幕を5月16日に延期
宮城県:4月開催予定の春季地区予選を中止。5月4日~7日に予選会を実施
千葉県:地区予選、県大会とも中止
東京都:春季大会一次予選、都大会とも中止
神奈川県:春季地区予選を中止。県大会は秋季県大会出場校で行う方針
静岡県:春季地区大会、県大会とも中止
愛知県:春季地区大会中止
三重県:春季地区予選、県大会とも中止
京都府:春季一次予選を4月18日開幕に延期
香川県:春季県大会中止
徳島県:春季県大会中止
愛媛県:春季県大会中止
高知県:春季県大会中止
福岡県:春季県大会を中止。4月11日から各地区大会を実施予定
佐賀県:春季県大会を4月11日以降に無観客で実施予定
宮崎県:3月20日予定の春季県大会開幕を延期
沖縄県:春季県大会を3月25日から無観客試合で実施

【大学野球】
札幌学生:1戦総当たり5試合制に変更
仙台六大学:開幕を4月18日に延期。勝ち点制から2戦総当たり制に変更
南東北大学:開幕を4月25日に延期
千葉県大学:開幕を4月11日に延期。無観客で開催
関甲新学生野球:開幕を4月25日に延期
東京新大学:開幕を4月18日に延期
東都大学:4月6日予定の開幕を延期。4月中旬に理事会開催
神奈川大学:開幕を4月18日に延期
愛知大学:開幕を4月25日以降に延期。無観客の方針
東海地区大学:開幕を4月11日に延期
北陸大学:開幕を4月18日に延期
関西学生:開幕を4月18日に延期
関西六大学:開幕を4月25日に延期。勝ち点制から2戦総当たり制に変更。無観客で開催
阪神大学:開幕を4月18日に延期。無観客の方針
四国地区大学:開幕を4月11日に延期
九州六大学:4月11日に開幕。PayPayドーム開催予定日は球場変更
福岡六大学:開幕を延期(時期未定)。PayPayドーム開催予定日は球場変更

【社会人野球】
東京スポニチ大会:中止
東海社会人・愛知大学対抗戦:中止
東海地区春季大会:中止
社会人野球東北地区大学対抗戦:中止
京都府春季大会:中止
大阪府野球連盟春季大会:中止
社会人野球東京六大学対抗戦:中止
JABA四国大会:中止
東京都企業春季大会:無観客で実施。3月27日で打ち切り
JABA春季四国野球大会:無観客で実施
JABA静岡大会:無観客で実施
JABA長野大会:無観客で実施

スカウトが有力ドラフト候補を視察できない


 以上はあくまでも現時点で決まっているものであり、今後も増えていくことは十分に予想される。“春はセンバツから”という言葉があるが、ドラフト戦線という意味で考えると、主要な最も大きい公式戦は社会人野球の東京スポニチ大会だ。3月12日から開幕予定だったが、球場の確保が困難ということで中止となっている。今年も小野大夏(Honda)、今川優馬、平山快、峯本匠(いずれもJFE東日本)、菅野秀哉、楠研次郎(いずれも東京ガス)、藤井聖(JX-ENEOS)、中野拓夢(三菱自動車岡崎)、森田駿哉、松本竜也(いずれもHonda鈴鹿)といったドラフト候補が出場予定だっただけに、彼らにとってみれば大きなアピールの場を失ったことになるだろう。

 また3月の下旬に開幕予定だった高校野球の春季大会も中止、延期が相次いでいる。四国地区は各県の県大会、四国大会ともに全て中止となった。県単位では違う形での大会も検討していると言われているが、夏までに大きな空白の時期となったことは間違いない。また、春季大会がなくなることで、夏の大会のシードをどうするかという問題も今後出てくるだろう。

 大学野球の春季リーグ戦も、例年であれば4月上旬から開幕するが、軒並み延期が相次いでいる。4月下旬の開幕が多くなりそうだが、各リーグの日程が重なると、ドラフト候補を視察する側のプロのスカウトもプレーを見る機会が少なくなることが予想される。最終学年でアピールしたい4年生の選手にとっては辛い春となりそうだ。

 そんななか、東京五輪の延期というニュースも入ってきた。今年は各カテゴリーでも東京五輪の影響で日程が大きく変更となっているが、五輪が延期となったことで再度検討する余地が出てきたことになる。選手の健康面、またアピールの場ということを考えても、五輪の延期を上手く生かす方法を各団体はぜひ検討してもらいたい。

記事提供:プロアマ野球研究所



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