コラム

まもなく折り返し、日米“ルーキー”監督の明と暗

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新人監督の左から広島・緒方孝市監督、ソフトバンク・工藤公康監督、楽天・大久保博元監督、ヤクルト・真中満監督 ©BASEBALLKING
緒方孝市,工藤公康,大久保博元,真中満

メジャーの新人監督は6人中5人が勝率5割超え。日本は…


 メジャーリーグ、そして日本のプロ野球ともに今年は混戦模様となっている。メジャーでは下馬評が決して高くなかったアストロズやレイズがそれぞれ地区首位に立つなど頑張っている。両チームの共通点は監督が今季から新たに指揮を執っているという点だ。以下メジャーで今季新たに就任した監督とチーム勝率一覧(左が昨季、右が今季勝率)である。

K.キャッシュ(レイズ) .475→.565
P.モリター(ツインズ) .432→.552
A.J.ヒンチ(アストロズ) .432→.580
J.バニスター(レンジャーズ) .414→.544
J.マドン(カブス) .451→.538
C.ヘイル(ダイヤモンドバックス) .395→.493
※ヒンチ・マドン両監督は以前に他チームで指揮を執った経験あり

 どの監督も昨季大きく負け越したチームを引き継いだが6人中5人は現在勝率5割を超えている(Dバックスも借金1)。一方、日本のプロ野球はどうだろうか。

緒方孝市(広島) .521→.462
真中満(ヤクルト) .426→.462
工藤公康(ソフトバンク) .565→.613
大久保博元(楽天) .444→.508
※西武・田辺監督は昨季の代行監督の期間が長いためカウントしない

 広島の緒方監督以外は勝率を上げており、日米合わせて10人中9人が昨季を大きく上回るペースでチームを勝利に導いている。監督が代わるということは、交代以前のチーム状態は決して良くなかった可能性が高いということ、そして新監督になり、心機一転チームがリフレッシュ・活性化されるという作用はあるだろう。

 10人のうち2人は昨季勝率5割超えのチームを引き継いだ。広島・緒方監督とソフトバンク・工藤監督だ。ともに優勝候補といわれるチームを率いた2人の今季ここまでの采配ぶりを振り返ってみたい。

 黒田投手の復帰で開幕前は優勝候補の声も高かった広島は、現在得点数リーグ1位、失点数リーグ2位という成績にもかかわらず最下位(ヤクルトと並び5位タイ)である。とはいえ首位まではわずか3.5ゲーム差につけており、数週間後には首位に立っていてもおかしくない。

 豊富な投手陣がそろったチームを引き継いだ緒方監督は開幕から結果を出せず、ファンからの厳しい声もあがった。それでも交流戦前は接戦(3点差以内)で10勝22敗と大きく負け越していたのが、交流戦突入後は7勝6敗と、ようやく監督業にもなれてきたといえるだろう。相変わらず投手陣は安定しており、日本の野球に慣れつつあるシアーホルツや昨季HRキングのエルドレッドの活躍次第で優勝争いに絡むのは必至だろう。

 日本一チームを引き継いだ工藤監督も豊富な戦力を率いてリーグ首位に立っている。元投手だけあって、投手陣のハンドリングには長けている。チームの完投数はここまで8。パ・リーグ2位の楽天が4に比べ、2倍の数字である。先発投手に試合最後まで投げさせることで自信をつけさせつつ、リリーフ陣を休ませることもできている。一方ホールド数もリーグ2位の56を記録しており、投手陣全体がチームに貢献している状況をつくりだしている。

 日米問わず、新監督を迎えた年はマスコミやファンからの注目度もアップする。序盤苦しんだ緒方監督もエンジンがかかってきており、勝率5割超えも見えてきた。今後も日米10人の新監督の戦いぶりに注目していきたい。(注:シーズン途中の監督交代は含めず)
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