コラム 2015.09.14. 18:00

低迷するチームで奮闘する勝ち頭 オリ・東明の球歴とは?

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チーム最多の10勝を挙げるオリックスの東明大貴[BASEBALLKING]

高校時代、「夏の県大会3年連続初戦敗退」の右腕


 ソフトバンクの優勝決定が秒読み段階に入ったパ・リーグ。昨年、熾烈な首位争いをしたオリックスは開幕から低迷。エース・金子千尋が故障で出遅れ、中島裕之ら野手の大型補強が機能せず、現在は、楽天と最下位を争っている。

 苦しいチーム事情のなか、投手陣の勝ち頭として10勝を挙げているのが2年目の26歳、東明大貴。9日の西武戦では、9回を被安打2、無失点。プロ初完投、初完封、初の二桁勝利、初の5連勝と、初物づくしで飾ってみせた。試合後は「今日は真っすぐが一番よかったです。打線がいいチームなので、打たれるのはしょうがないと、割り切って投げようと思いました」とコメント。福良淳一監督代行は「今日は東明でしょう。これをまた自信にしてくれれば」と褒め称えた。

 東明は1989年6月生まれ、岐阜県出身。小学生のとき、地元少年団で本格的に野球を始めた。1989年生まれといえば、2007年ドラフトの目玉「高校BIG3」と呼ばれた、中田翔(大阪桐蔭高→日本ハム)、唐川侑己(成田高→ロッテ)、佐藤由規(仙台育英高→ヤクルト)と同学年。しかし、岐阜市立厚見中学校、岐阜市内にある富田高校に進学して野球を続けた東明にとって、甲子園は遠い遠い世界。夏の県大会3年連続初戦敗退という成績で、高校野球を終えた。

 高校卒業後の進路は就職を考えていたというが、野球部監督のすすめもあり、桐蔭横浜大学のセレクションを受験。スポーツ推薦枠には入れなかったものの、AO入試で合格。晴れて、大学野球の世界へと足を踏み入れた。

 桐蔭横浜大では、早くも1年秋からエース級の活躍をするが、大学入学までの約半年、しっかりトレーニングをした成果。大学野球界に参入して間もない桐蔭横浜大は、斎藤博久監督の下、自主性を重視するチームカラー。技術習得に意欲的で、自分の考えを持って練習できる東明が、ぐんぐん伸びていける環境だった。

 3年春のリーグ戦では、7勝を挙げて神奈川大学リーグ初優勝に貢献、MVPを獲得した。初出場の大学選手権では、2回戦で慶應義塾大学と対戦。2年生の福谷浩司(現・中日)と投げ合い、9回サヨナラ負けを喫している。

 その後は右肩故障に苦しむ時期もあったが、4年秋にリーグ優勝。神宮大会出場校決定戦で、首都大学リーグ代表の東海大学と対戦した。ドラフト候補・菅野智之(現・巨人)との投手戦になった試合は、桐蔭横浜大が9回サヨナラ勝ち。9回1失点と好投した東明は「菅野に投げ勝った投手」として、一気に名前が広まった。

 4年間の集大成ともいえる結果を残した2011年秋。ドラフト候補としてピックアップしていた球団もあったというが、大学卒業後は富士重工業に入社。プロへの夢を持ち続け、社会人野球の世界で腕を磨く道を選んだ。


プロ2年目は低迷するチームの勝ち頭に!


 富士重工では1年目から主力として登板。都市対抗野球北関東大会(予選)では、チーム北関東第1代表へと導く働きで大会MVPを獲得。本大会では初戦で先発を任されるなど、信頼度は高かった。なお、都市対抗2回戦で敗れたJR東日本の先発は、ドラフト同期入団(1位)となる吉田一将である。

 社会人2年目、2013年の都市対抗は、日立製作所の補強選手として出場。10月には東アジア大会日本代表に選出。最速153キロの剛速球とコントロールのよさを兼ね備えた即戦力右腕として、オリックスの2位指名を受けた。ドラフト後に行われた日本選手権では、20回3分の2無失点など好投を続けて準優勝に貢献。試合後、メンバーから胴上げされた東明は「今年1年やりきりました。(決勝戦は)勝ちきれなかったので、プロでは勝ちたいと思います」とコメントした。

 プロ1年目の春季キャンプから一軍帯同、開幕一軍。日本ハムとの開幕戦で、7人目の投手としてプロ初登板を果たしたが、延長12回、サヨナラ負け。初勝利は4月17日の日本ハム戦。登板5度目と時間を要したのは、じっくり前進してきた東明らしいというべきか。1年目は26試合、5勝7敗、防御率3.79という成績で終えた。

 2年目の今季は、開幕からローテーションに定着し、先発陣で最多の22試合登板、10勝(9月13日時点)。「野手の方が点を取ってくれて、佐藤(達也)さんや平野(佳久)さんが後ろで抑えてくれたので、勝てました」「毎試合、一人ひとりに集中して、気を引き締めてやりたいです」と謙虚なコメントが目立つが、8月12日のソフトバンク戦から5連勝。10勝のうちソフトバンクから3勝というのは、実力の証と言っていい。

 残念ながら、今年は短いシーズンになりそうなオリックス。そんななか、来年に期待を抱かせる戦力は確実に台頭している。その前に、今季はどこまで勝ち星を伸ばしていくか。「応援してくれる方のためにも勝ち続けたいです」と語る伸び盛りの26歳、東明大貴の投球に期待したい。

文=平田美穂(ひらた・みほ)

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