コラム 2015.09.21. 09:00

近未来のチームリーダー、ロッテ・中村の球歴とは?

「トリプルスリー」山田哲人が小学生からのライバル!


 9月17日、ソフトバンクの優勝が決定した。パ・リーグ史上最速となる優勝決定で、20日の試合終了時点で87勝39敗4分、2位の日本ハムに14ゲーム差。まさに、独走態勢での優勝だった。

 これからのパ・リーグにおける注目は、CS出場権をかけた西武とロッテの激しい3位争いだ。現状、西武がややリードしているが、ほんのわずかな差。どちらがCS出場となるか、まったく予断を許さない。

 4位から逆転を狙うロッテでセカンドを守るのが、ドラフト1位ルーキーの中村奨吾。名門・早稲田大学で主将を務めたエリート選手が、9月16日の日本ハム戦で100試合出場達成。2割前後の打率(規定打席未到達)は物足りないものの、随所で前評判通りの活躍を見せてきた。

 中村は1992年5月生まれの23歳、兵庫県三木市出身。社会人からプロ入りを目指していたという父親の影響で、野球を始めた。三木市立みなぎ台小学校2年生のとき、硬式の「三田リトル」に入団。三木市立吉川中学校時代は、硬式クラブ「三田ヤング」でプレーした。同じヤングリーグのクラブ「兵庫伊丹」には山田哲人(現・ヤクルト)がいて、中学時代はもちろん、小学生の頃から何度も対戦したという。

 高校は、父親の母校でもある天理高校(奈良)へ。1学年上には西浦直亨(現・ヤクルト)がいた。ショートとして入部したが、故障などの影響で外野手に転向。1年秋から、外野手としてベンチ入りを果たしている。甲子園には、2年夏、3年春、3年夏の3回出場。打線では主軸の3番を担う中心選手だった。なお、最後の夏、甲子園2回戦で負けた履正社高校(大阪)で、同じ3番を打っていたのが山田哲人。中村は後に「最後の夏は、山田がいた履正社に負けて終わった」と振り返り、「自分の中にはずっと山田がいた」とライバル心を抱いていたことを明かしている。

 2010年秋のドラフトでは、同じ関西圏から山田哲人、西川遥輝(智弁和歌山→日本ハム)、吉川大幾(PL学園→中日/現・巨人)らが上位指名を受けた。そんななか、中村が選んだ進路は早稲田大学進学。住み慣れた関西を離れ、東京六大学の名門校への入学を決めていた。なお、この年のドラフトの目玉は「早大三羽烏」といわれた、斎藤佑樹(現・日本ハム)、大石達也(現・西武)、福井優也(現・広島)。中村は、スター選手3人と入れ替わりで入部した世代ということになる。


近未来のスター選手は1年目から「持ってる男」!


 早大入学後は、1年春からリーグ戦に出場。レフトのレギュラーとなった秋は、打率.429をマークした。2年春からセカンドに転向し、2年秋、3年秋、4年秋にベストナイン選出。2年春のリーグ戦は優勝、その後の大学野球選手権でも優勝。3、4年時には大学日本代表に選ばれ、3年夏の日米野球では全5試合に5番・センターでスタメン出場。打率.438をマークしている。

 「とにかく真面目な性格。高校でも大学でも誰より練習していて、指導者や仲間からの信頼が厚かった」という周囲の証言を裏付けるように、4年生になると、名門・早稲田大学硬式野球部の第104代主将に選ばれた。リーグ優勝はできなかったものの、プレー自体は即戦力内野手としてプロの評価は揺るぎなかった。特に、守備と足が高く評価されてきたが、本人が目指すのは「打てる内野手」。「高いレベルでバランスの取れた選手になりたい」と、井口資仁(ロッテ)を憧れの存在としてきたという。
 
 昨秋ドラフトでは、憧れの人、井口がいるロッテの1位指名を受けた。担当の諸積兼司スカウトは「将来的にキャプテンになる器」と話し、球団HPには「将来的には井口のようなタイプの選手に成長してくれることを期待したい。ルックスも抜群でスター候補生」というコメントが掲載されている。

 仮契約の席で「1年間、一軍に居続けたいです」と話したとおり、まずは開幕一軍の座を獲得。ソフトバンクとの開幕戦のため福岡入りした3月25日は早大の卒業式だったが、「開幕一軍なら卒業式に出られない」と想定していたそうだ。

 3月29日、開幕3戦目でのプロ初出場は代走。試合後、「オープン戦を経て、自分が出場するなら代走からだろうと思っていたので、準備はできていました」と話した。4月8日のオリックス戦では、9番・セカンドで初スタメン、初安打、初得点と活躍。さらに、4月30日の西武戦では、1番・サードでスタメン出場し、初回先頭打者本塁打。新人のプロ初本塁打が初回先頭打者本塁打は、球団史上初、パ・リーグ4人目、両リーグ通じても6人目の快挙である。「(初回先頭打者本塁打は)公式戦では初めてで、素直にうれしいです」と笑顔を見せたが、やはり「持ってる」選手だと感じさせた。

 その後は、目標通り一軍定着、さらに、レギュラー定着。3位争いをするチームに欠かせない存在となっている。近未来のキャプテン、スターとして期待される男のプロ1年目のシーズン。決着の季節に向けて、まだまだ何かやってくれそうだ。

文=平田美穂(ひらた・みほ)

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