ワールドシリーズで注目すべき5つのポイント
日本ではソフトバンクとヤクルトによる日本シリーズが24日(土)からはじまり、熱戦が繰り広げられている真っ最中であるが、海の向こうアメリカではこれから頂上対決の幕が開ける。
ナ・リーグ優勝のニューヨーク・メッツと、ア・リーグ優勝のカンザスシティ・ロイヤルズによって争われる今年のワールドシリーズ。2000年以来、15年ぶりのワールドシリーズ出場となるメッツと、2年連続での出場となったロイヤルズが頂点を目指した戦いに挑む。
お互いにワールドチャンピオンからは遠ざかっており、ロイヤルズは1985年、メッツはその翌年の1986年に栄冠を掴んだのが最後。30年ぶりか、29年ぶりか…。大一番へ向けて熱が高まっている。
決戦の開幕に先駆けて、米大手スポーツメディア『ESPN.com』のティム・カージャン氏がコラムを掲載。ワールドシリーズの「注目すべきポイント5つ」を紹介している。
1.メッツが誇る先発4本柱の勢い
メッツのリーグ優勝の原動力となったのが、マット・ハービー、ジェーコブ・デグローム、ノア・シンダーガード、スティーブン・マッツからなる“4本柱”だ。
カージャン氏は「4投手は全員が152キロ以上の速球と一級品の変化球を持っている」と分析。「カブスとのリーグ優勝決定シリーズも4戦で終えたことで、休息も十分」であることも大きいと述べた。
リーグ優勝決定シリーズでのチーム被打率は.164と驚異的な数字を叩き出し、メジャー新記録をマークしたメッツの投手力にロイヤルズがどう立ち向かっていくのか、大きな注目ポイントとなる。
2.ロイヤルズ打線の状態は?
今年のロイヤルズの大きな強みは打線にあると指摘するカージャン氏。レギュラーシーズンのチーム打率.269はメジャー全体でも3番目という数字であり、なおかつ三振数は973個で最小。30球団中唯一の3ケタ台と高い確実性が光った。
このポストシーズンでもチーム打率.271は飛び抜けてトップの数字で、63得点もNo.1の数字。強力・メッツ投手陣との対戦でも持ち味の打力を発揮することができるだろうか。
3.ロイヤルズの先発陣のキーマン
ロイヤルズの先発陣でカギを握るのが、第1戦に先発予定のジョニー・クエト。カージャン氏は「彼の出来がシリーズの行方を左右する」と見る。
ブルージェイズとのリーグ優勝決定シリーズでは2回8失点と大乱調だったが、アストロズとの地区シリーズでは8回2失点の好投を見せた。初戦でクエトがどちらの顔を見せるか次第で、シリーズの流れが大きく変わるだろう。
4.マーフィーの勢い
メッツの中で今一番ノッてる選手といえば、3番を打つダニエル・マーフィー。地区シリーズ第4戦のドジャース戦から、ポストシーズン新記録となる6試合連続本塁打を放った。
レギュラーシーズンでは、左投手からわずかに1本しか本塁打を打っていなかった男が、ポストシーズンではクレイトン・カーショー(ドジャース)から2本、ジョン・レスター(カブス)から1本を記録するなど、メジャー屈指の左腕を打ってここまで来た。
ラッキーボーイの打撃が、最終決戦でも炸裂するだろうか。逆にロイヤルズからすれば、絶対に打たせてはいけない相手となる。
5.ロイヤルズが誇る鉄壁の守備陣
打つだけでなく、堅いディフェンスも持ち味となっているロイヤルズ。ポストシーズンでも11試合で失策がわずかに1つと堅い守備を見せる。
またそれだけでなく、カージャン氏は「記録に表れない守備」についても言及。「二遊間の併殺や、捕手のサルバドール・ペレスのブロック力など、守備力はメジャー屈指」と太鼓判を押した。
最後に、カージャン氏はシリーズの予想を発表。「打力と守備に加えて走塁にもソツがなく、チーム全体に野球の“うまさ”が目立つ」という点から「4勝3敗でロイヤルズ」とした。
果たして、チャンピオンリングを掴むのはどちらのチームか…。ワールドシリーズは現地時間10月27日(日本時間10月28日)に、ロイヤルズの本拠地カウフマン・スタジアムで開幕する。