新人王資格を持つ主な選手の今季成績
10月22日、ドラフト会議が終了。育成選手を含め116人にプロへの門戸が開かれた。さて、彼らに先んじてプロ入りを果たした今季の新人たちの成績はどうだったか。約1ヵ月先の新人王発表を占う意味でも、パ・リーグの新人たちの働きぶりを振り返ってみたい。以下は、新人王資格を持つ主な選手の成績だ。
【投手】
郭俊麟(西武)
今季成績:21試 3勝7敗0H 79.2回 振49 防5.31
白村明弘(日本ハム)
今季成績:50試 1勝1敗13H 57.2回 振66 防2.03
山崎福也(オリックス)
今季成績:17試 3勝6敗0H 57.2回 振35 防4.53
二保旭(ソフトバンク)
今季成績:44試 6勝1敗5H 52.2回 振28 防3.25
高橋光成(西武)
今季成績:8試 5勝2敗0H 44回 振22 防3.07
【野手】
中村奨吾(ロッテ)
今季成績:111試 率.230 本5 点21 盗4 出塁率.279
岡大海(日本ハム)
今季成績:101試 率.236 本4 点26 盗18 出塁率.299
西野真弘(オリックス)
今季成績:57試 率.304 本3 点22 盗9 出塁率.370
福田将儀(楽天)
今季成績:67試 率.216 本1 点12 盗5 出塁率.277
高田知季(ソフトバンク)
今季成績:81試 率.237 本1 点11 盗4 出塁率.292
浅間大基(日本ハム)
今季成績:46試 率.285 本0 点10 盗4 出塁率.307
惜しまれる西野の離脱
投手では4球団が競合したゴールデンルーキー、日本ハムの有原がさすがと思わせる力を発揮。開幕は二軍で迎えたが、5月15日に初先発すると今季のパ・リーグ新人で一番乗りとなる初勝利を挙げた。その後もローテーションを守り、7月29日から9月5日までは無傷の4連勝。9月5日のオリックス戦では初完投・初完封で8勝目を飾った。しかし、その後の3試合は0勝2敗に終わり、結局は8勝止まり。新人王を確実なものにするには2桁勝利が欲しかったところ。
ソフトバンクの二保にも注目。森唯斗、五十嵐亮太、サファテら盤石の勝ち継投が完成しているなか、敗戦処理に回またぎ、大量リードのゲームまで場面を問わずフル回転。6勝を記録していることからも、二保の安定したリリーフによって負け試合が勝利に塗り替えたられたケースも少なくない。5Hという数字は新人王を狙うには厳しいが、数字には表れない部分でのチームへの貢献度は計り知れないものがある。
リリーフなら日本ハムの白村も目を引く。50試合57.2回を投げて防御率2.03という安定感はお見事。奪三振率10.30はリリーフとして申し分なく、また、シーズン途中から勝利の方程式の一角を担っておりチームへの貢献度も高い。
投手同様、野手にも抜けた存在はいない。今季、出場機会を大きく増やしたのが日本ハムの岡。チームの先輩である中島卓也や西川遥輝に続く18盗塁はリーグ4位。「右の糸井(嘉男/オリックス)」とも呼ばれるだけに、走攻守に高い能力を感じさせたが、全体的な数字としてはいまひとつに終わった。
ロッテの中村も非凡なセンスを感じさせた。プロ入り初本塁打は、チーム初、プロ6人目の「新人選手初回先頭打者本塁打」。7月以降はスタメン起用が増えて111試合に出場。チームの期待もうかがえる。
惜しかったのがオリックスの西野だ。開幕一軍をつかみ取り、167cmの小さな体ながら高打率・高出塁率をマーク。また、得点圏打率.425は、規定打席到達者の中でリーグトップの柳田悠岐(ソフトバンク)の.413をも上回る。さらに、50m6.1秒の俊足で57試合の出場ながら9盗塁を記録し、足でも魅せた。
パ・リーグでは1998年の小関竜也(西武)を最後に野手の新人王は出ていない。入団早々、野手がレギュラーの座をつかんだ上、活躍することがいかに難しいかということだ。先述した西野は、7月2日の日本ハム戦で右手を骨折し離脱。そのままシーズン閉幕を迎えた。もちろん、シーズンを通して同じような活躍ができたかは分からないが、西野に故障がなければ久しぶりの野手新人王が生まれていたかもしれない。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)