コラム

「4番は外国人」を打ち壊せ!オリックスのドラフト1位・吉田正尚の挑戦

 オコエ瑠偉や平沢大河ら大物高卒ルーキーがメディアを賑わせている一方、“大学No.1スラッガー”の肩書きを引っ下げ、オリックスに1位指名で入団したのが吉田正尚外野手。

「チームの得点力を上げて欲しい。(投手の)右左関係なく仕留められる。まず開幕(一軍)枠に入ってもらって、失敗を恐れずにやってくれたらいい」とオリックス加藤編成部長は話す。

170センチ80キロと、決して恵まれた体格ではないが、豪快なバッティングで長打を炸裂させる吉田。敦賀気比高時代は1年生で4番を務め、進学した青山学院大学でも下級生時からチームの主軸を張り、ベストナインにも4度受賞。最後の秋にはリーグ三冠王を獲得した。

 大学ジャパンにも名を連ね、昨年のユニバーシアード大会では初優勝に貢献するなど、輝かしい経歴からも窺い知れるその才能に疑いの余地はない。

 左ふくらはぎの故障から、春季キャンプは二軍スタートだったが、2月6日に一軍に合流し、フリー打撃では左中間からバックスクリーン、ライト方向へと豪快に大物スラッガー振りをアピールしてみせたが、翌日には右わき腹の張りを訴え、あっという間に二軍降格。

 「制限付きの練習を余儀なくされる者は上に置かない」との規律を重んじる福良監督だけに、100%の力をグラウンドに残せない選手にポジションなどない。ましてや昨季大型補強を敢行したオリックスだけに、どのポジションにおいても競争は熾烈だ。

 過去の栄光も、ドラフト1位という球団の期待も、競争に敗れれば何の意味もなさない。ただ、福良監督に「やっぱりスイングスピードがあるし、タイミングの取り方がうまい。飛距離とうまさの両方を持っている」と言わしめるその才能は脅威であり、周囲の耳目を自然と集めてしまうのもまた事実だ。

 「何があっても対応できるように、心の余裕を持つようにしている」と語る吉田。激しい競争、期待と責任の間に生じる葛藤、プロとしての矜持。様々な精神的揺さ振りが、今後彼を待ち受けているだろう。

 「4番は外国人」との福良監督の方針すらも打ち崩し、その才能が大輪の花を咲かせることを祈ってやまないが、今はまず「開幕一軍」という最初の壁を乗り越えて欲しい。
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