コラム

メジャー昇格狙う川崎宗則の姿勢から学ぶべきこと

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メジャー昇格を目指す川崎宗則

契約を解除しその30分後に再契約!?


 日本時間の3月30日、シカゴ・カブスとマイナー契約を結びスプリングキャンプに招待選手として参加していた川崎宗則が、契約解除を通告された。しかし、その30分後に新たにマイナー契約を結び直した。

 この不可思議な再契約が起こった理由は、MLBの協定にある。MLBの協定では一定の成績を残したマイナー契約の選手が開幕のメジャー25人枠に入れなかった場合、球団は選手に10万ドル(約1120万円)を支払わなければならない。その支払いを逃れるため、カブスは川崎と契約を一端解除し、新たに結んだのである。

 開幕メジャーはならなかった川崎だが、オープン戦では打撃好調だ。再契約した30日のオークランド・アスレチックス戦では途中出場し、8回にオープン戦初となる本塁打を放った。24試合に出場し打率.367、出塁率.446、長打率.551、OPS(出塁率+長打率)は.997だ。18安打中、二塁打6本、本塁打1本と昨季まではあまりなかった長打も多く放っている。MLB屈指の名将ジョー・マドン監督が、川崎について「長いシーズンには開幕メンバー25人以外の力も必要になってくる。川崎は、昇格のチャンスを得るだろうし、チームの成功の重要な役割を担う」と評価していることもあり、シーズン中にメジャー昇格というチャンスは大いにあるだろう。


積極的にコミュニケーションをとる姿勢が人気の理由


 ところで、日本で川崎のニュースが報じられるとき、プレー面以外の彼のパフォーマンスや言動を取り上げられることが多い。たしかに、川崎の明るいキャラクターは魅力的で、川崎がアメリカで人気を集めている要因のひとつでもある。

 ただ、明るくてパフォーマンスもするから人気があるというわけではないと思う。もっとも大きな理由は、川崎が積極的に英語を話すからではないだろうか。拙くても、英語で話す。英語で自分の気持ちを表現しようとする姿にアメリカ人は感銘を受けるのだろう。日本に来た外国人選手が、ヒーローインタビューなどで「アリガトウゴザイマス。アシタモ、ガンバリマース!」と日本語で言うとスタンドが沸くのと同じように。

 川崎が英語で話す姿を見て「なんかおもしろいことをやっているね。明るいよね」だけで終わらせるのではなく、積極的に英語で話す姿を見習いたいと思うのだ。国際化と叫ばれて久しいが、外国でコミュニケーションを取るうえでもっとも大切な「自分からその国の言葉を話す」ことを川崎は伝えてくれている。

 アメリカに渡って5年目を迎える今季。メジャーの野球に必死にしがみつこうとしている川崎が、少しでも多く大舞台でプレーすることを願ってやまない。

文=京都純典(みやこ・すみのり)
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