コラム 2016.08.02. 06:30

プロ入り後は苦しんでいたが…本来の投球を取り戻しつつある大石達也

毎年のように配置転換が行われるリリーフ陣


 昨季、34年ぶりの2年連続Bクラスとなった西武。巻き返しを図った今季も7月31日現在、39勝56敗2分で5位に沈んでいる。最下位のオリックスまで0.5ゲーム差と、1979年以来37年ぶりの最下位になる可能性も出てきた。

 かつて圧倒的な強さを誇った黄金時代が遠くかすんでしまうような体たらくだが、要因のひとつはここ数年課題と言われているリリーフ陣の整備が進んでいないことだ。今季もリリーフ陣の防御率はパ・リーグ4位の3.40とこの数字だけを見れば及第点だが、41ホールド18セーブはいずれもリーグ最少と、いわゆる勝ちパターンを確立できていない。

 勝ちパターンのなかでもクローザーに苦労するのが、近年の西武の傾向でもある。2010年、ブライアン・シコースキーが33セーブで最多セーブ投手のタイトルを獲得したが、2011年はケガのため、シーズン途中から牧田和久をクローザーに起用した。2012年は新外国人のエンリケ・ゴンザレスがクローザーを任されたが、不安定な投球が続き5月から当時エースの涌井秀章がクローザーに回った。2013年は大石達也がクローザーの役割を担ったが、期待通りの結果を残せず、シーズンの最後までクローザーを固定できなかった。チーム最多セーブはデニス・サファテ(現ソフトバンク)だったが、たったの10セーブである。2014年は、十亀剣からシーズン途中に高橋朋己がクローザーとして起用され、昨季は高橋朋己からシーズン終盤に増田達至へとクローザーの役割が変わった。

 そして今季も高橋朋己がケガで離脱し、現在は増田が最後の砦を守っている。ケガのためクローザーを変えなければならないこともあったが、近年の西武はクローザーの失敗が少し続くと配置転換することも多い。シーズンを通して結果を残すことは容易ではないが、ときには首脳陣も我慢が必要なのかもしれない。


大石らしいかつての速球が戻りつつある


 いまのところ増田が16セーブ、防御率2.16とクローザーとして結果を残しているが、信頼のおけるリリーバーがまだ不足している。

そこで注目したいのが、2013年の開幕当初にクローザーを任された大石だ。2010年のドラフトで6球団競合の末、西武に入団した大石だが、ここまではケガに悩まされ満足のいく結果を残せていない。2013年も37試合の登板で0勝5敗8セーブ、防御率6.38と散々な成績だった。昨季は、3試合の登板に終わり、今季は背水ともいえるシーズンだが、ここまで19試合に登板し勝敗こそないものの、防御率1.76とプロ入り最高の成績を残している。19試合の登板で失点したのは7月19日のロッテ戦だけ。まだビハインドの場面での登板が多いが、少しずつアピールしている。

 昨季までの大石はケガの影響もあったのか、自分のフォームを見失い、スピードもコントロールもなくなっていた。それが今季は、フォームが安定し、ベースの上で最後のひと伸びがある大石らしい速球のキレも戻ってきた。空振りのとれる速球を取り戻し、15回1/3で16奪三振と投球イニング以上の三振を奪っている。与四球率が4.70と多いのは不安だが、辛抱強く起用していけば勝ちパターンのリリーフとしてチームに貢献できるはずだ。
 
 クライマックスシリーズ進出圏内の3位まで13ゲーム差と、Bクラス脱出はほぼ絶望のなか、来季を見据えた戦いを考える時期でもある。クローザーか、セットアッパーか、大石にそれなりの役割を託すことが来季以降につながると思うのだが…・・・首脳陣はどういう判断を下すだろうか。

文=京都純典(みやこ・すみのり)

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