コラム 2016.08.17. 16:00

現役最後は古巣で…名プレーヤーたちの選択

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レッドソックスで世界一に輝いた時に守護神を務めていたパペルボン(写真は2007年)

ベテランリリーバーを古巣が獲得するの噂も…


 メジャーリーグでプレーオフを争うボストン・レッドソックスとサンフランシスコ・ジャイアンツ。その両チームにベテランリリーバー獲得の話が持ち上がっている。

 レッドソックスがナショナルズを解雇されたジョナサン・パぺルボンを、ジャイアンツはカブスを戦力外になったジョー・ネイサン獲得に向けてそれぞれ動いているという。果たして2人はともにキャリアをスタートさせたチームに戻ることになるのだろうか。

 パぺルボンは2003年のドラフト4巡目でレッドソックスに指名され、05年にメジャーデビュー。07年にはチームを世界一に導き、11年まで守護神を務めた。12年以降はフィリーズとナショナルズでプレーしたが問題行動も多かった。

一方のネイサンは、1995年のドラフトでジャイアンツが遊撃手として6巡目で指名。その後、投手に転向したネイサンは99年にメジャーデビューを果たすが、03年オフにツインズに放出されると、守護神として開花。12年以降はレンジャーズ、タイガース、カブスと渡り歩いた。

 パぺルボンは現在35歳とまだ老け込む年齢でもないが、オフにはフリーエージェントとなる。一方41歳のネイサンはトミージョン手術から復活を果たしたばかり。今季が現役最終年になる可能性もある。現役の最終章は「ドラフトで指名してくれたチームで有終の美を飾りたい」と考えていても不思議ではないだろう。


古巣で現役を終える選手が多い


 最近では、今年殿堂入りを果たしたケン・グリフィー・Jrや名左腕トム・グラビンが現役最後を“古巣”で過ごすという選択をしている。いずれも全盛期のような活躍は見せることができなかったが、自身の原点ともいえる場所で選手としての最後を迎えるという選択が地元ファンを喜ばせたことは間違いない。

 日本でも15年から黒田博樹、新井貴浩が“古巣”に復帰し、チームを25年ぶりのリーグ優勝に導こうとしている。黒田はメジャーのチームから十数億円の契約ファーがあったにもかかわらず広島復帰を選択。新井も阪神から提示された額を大幅に下回る年俸で契約し、古巣に復帰した。ともに現役最後は、最も思い入れのある場所で過ごしたいという表れだろう。

 話をパぺルボンとネイサンに戻すと、レッドソックスとジャイアンツはともにポストシーズン、そして地区優勝に向けて、救援陣の再構築が急務ともいわれている。2人に関しては、古巣で有終の美を飾るという以上に、戦力として期待されているといっていい。

 もし2人が古巣復帰を果たし、ポストシーズンでもチームに貢献できればこれ以上ないシンデレラストーリーを描くことになるだろう。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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