コラム

侍ジャパン「捕手冬の時代」の救世主は誰か?

無断転載禁止
強化試合の代表だった嶋基宏(左)、小林誠司(中)、大野奨太(右)

過去3大会のWBC選出捕手は?


 絶対的捕手、不在の時代だ。

 メキシコ代表・オランダ代表と計4試合を戦った侍ジャパンの強化試合では大野奨太(日本ハム)、嶋基宏(楽天)、小林誠司(巨人)の3名が選出。打線好調の日本代表は3勝1敗と勝ち越したものの4試合で計29失点。捕手陣も守備のミスが目につきWBC本戦に不安の残る結果となった。

 07年限りで古田敦也(元ヤクルト)が現役を退き、4年前には城島健司(元阪神)も故障で引退、そして阿部慎之助(巨人)も一塁転向で今季は捕手としての公式戦出場はなかった。

 打率3割30本塁打近い成績を残し、守ってはゴールデングラブ賞を獲得。そんなスーパーキャッチャーが日本球界から消えてしばらく経つ。ここで過去3大会の捕手選出メンバーと今回の代表選手を確認してみよう。

【2006年第1回WBC】
里崎智也(ロッテ)
94試 率.303 10本 52点 OPS.842

谷繁元信(中日)
141試 率.234 14本 65点 OPS.715

相川亮二(横浜)
144試 率.259 8本 46点 OPS.664

【2009年第2回WBC】
城島健司(マリナーズ)
112試 率.227 7本 39点 OPS.609

阿部慎之助(巨人)
125試 率.271 24本 67点 OPS.852 Gグラブ賞

石原慶幸(広島)
123試 率.265 9本 50点 OPS.676

【2013年第3回WBC】
阿部慎之助(巨人)
138試 率.340 27本 104点 OPS.994

相川亮二(ヤクルト)
72試 率.245 1本 28点 OPS.604

炭谷銀仁朗(西武)
139試 率.194 0本 23点 OPS.466 Gグラブ賞

【2016年強化試合】
大野奨太(日本ハム)
109試 率.245 5本 35点 OPS.678 Gグラブ賞

嶋基宏(楽天)
80試 率.271 2本 17点 OPS.750

小林誠司(巨人)
129試 率.204 4本 35点 OPS.545

※所属は当時、成績はWBCが3月開催のため前年度、16年のみ今季成績

 振り返ってみると各大会で里崎智也(元ロッテ)、城島、そして阿部とチームの中心となる捕手がいたことが分かる。今回の強化試合でマスクを被った大野や小林は経験不足を露呈し、唯一30代の嶋も今季盗塁阻止率.194と肩の衰えは隠せない。今の代表チームは大谷翔平(日本ハム)、筒香嘉智(DeNA)、山田哲人(ヤクルト)、鈴木誠也(広島)ら世代交代に成功した野手陣は過去最強の顔触れが揃っているだけに、捕手は経験豊富で守備に特化したベテラン選手を選出してもいいのではないだろうか?

 例えば、石原慶幸(広島)は37歳にして今季初のゴールデングラブ賞を獲得。打撃面でも後半戦だけなら3割近い打率を残している。炭谷銀仁朗(西武)も所属チームでは出場機会が減少しつつあるが、そのディフェンス力は未だ健在で代表経験も豊富だ。さらに若手捕手で言えば94年組の1人で今季130試合に出場した12球団最年少正捕手・田村龍弘(ロッテ)を、第3捕手で選出して将来のためにWBCの雰囲気を経験させるというのもありだろう。

 この10年、城島健司や阿部慎之助に頼りきりだった侍ジャパン捕手事情。このままWBCを迎えるのか? それとも…。果たして、3カ月後に小久保監督がどんな決断を下すのか注目である。

文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)
ツイート シェア 送る
  • ALL
  • De
  • 西