貧打に喘いだ交流戦
中日は交流戦、7勝11敗と負け越しで終えた。交流戦のチーム防御率2.31は12球団トップを記録したものの、とにかく打線が精彩を欠いた。交流戦のチーム打率.195は12球団ワーストで、2011年に広島が記録した.209を下回った。負け越した要因の1つに打線が挙げられる。
【中日の交流戦個人別打率】※規定打席到達者
堂上直倫 .234(64-15)
ナニータ .194(67-12)
ビシエド .182(64-11)
荒木雅博 .113(53-6)
上記の成績を見てもわかるように、交流戦の規定打席到達者で3割を到達した打者は1人もいない。チーム最高は、6月17日と18日の日本ハム戦で2試合連続決勝打を放ったキャプテン・平田良介の打率.292だ。その他の選手は、2割5分を下回る。
中でも打撃不振が目立ったのが、3・4月の月間MVPに輝いたビシエドと、一時打率3割5分以上を記録していたナニータの助っ人コンビ。ビシエドは開幕から4番打者として、チームを支えていたが、交流戦は打率.182(64-11)と大ブレーキ。
特にロッテ戦が打率.083(12-1)、西武戦が打率.091(11-1)、楽天戦が打率.091(11-1)と1割も満たない打率だった。この交流戦は左投手に対して、対戦数は少ないが打率.313(16打数5安打)を記録するも、右投手には打率.140(50-7)と全く打てなかったことも要因にあげられる。ちなみに交流戦前は、右投手に対して打率.303(122-37)と苦にしておらず、パ・リーグの速球派投手に抑え込まれた印象だ。
ナニータは、4月14日の広島戦から5月13日の広島戦にかけて20試合連続安打を記録するなど、交流戦前の打率は.317と好調を維持していたが、交流戦では本来の力を発揮することができなかった。最初のカードとなったソフトバンク戦こそ、2本塁打を放つなど11打数4安打も、日本ハム、オリックス、楽天戦の打率は1割台。ロッテ戦に至っては、打率.083(12-1)と苦しんだ。
二軍はチーム打率.277と好調
ただ、暗い話題ばかりではない。二軍はチーム打率.277で、ウエスタンリーグ最高の成績を残す。その中でも、6月9日に二軍落ちした福田永将は、打率.351、7本塁打、38打点と打撃3部門でトップに立つなど好調だ。16日のソフトバンクとの二軍戦では、2本の本塁打を放つなど、3安打3打点と活躍。
黄金時代の中日を支えたベテランの森野将彦も、状態が良い。二軍戦ではここまで、39試合に出場して、打率.289、19打点の成績を残す。16日のソフトバンクとの二軍戦では、3打数2安打3打点の活躍を見せた。
さらに、4月30日の広島戦で右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折し二軍リハビリ中の高橋周平も、実戦への復帰が噂されている。交流戦のチーム打率が.195に終わり、打線に不安を抱えたままリーグ戦再開となるが、幸いにも二軍は打撃陣が好調。一軍の投手陣は比較的安定しているだけに、二軍の選手を上手く活用しながら、貧打を解消していきたい。