ニュース 2017.07.19. 20:14

夏場に多い雷!練習中にゴロゴロ鳴ったらどうする?

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積乱雲は、上空に冷たい空気があるところに、直射日光などで温められた地上の空気が上空へとのぼって空気との対流が起こると発生します。積乱雲が発生すると雷が発生しやすくなりますが、これは地上の空気には水蒸気が含まれているため、上空で冷やされると氷の粒や「あられ」となり、それぞれがぶつかりあうことで静電気を発生させ、たまった電気が地上に向かって放たれることで起こります。夏場は特に日中の強い日差しによって地上付近がより一層温められるため、上空での大気の状態が不安定になりやすく、気温がピークを迎える昼過ぎから夕方ごろに雷が多く発生します。

光と音の速度差はよく知られているところですが(光:約30万km/秒、音:約340m/秒)、雷が鳴っているときに「まだ遠い(音が遅い)から大丈夫」と判断するのは危険です。積乱雲は連なって出来ていることもあり、「音が遠いのに、雷雲は自分の真上にもかかっていた」というケースも考えられます。また雷は真下だけではなく、斜めに落ちることもあるので、上空が晴れていても落ちる可能性があります。空がピカッと光ったり、ゴロゴロと音がすると雷が近いということはすぐにわかりますが、急に暗くなり、厚い雲で覆われた空やヒヤッとした冷たい風が吹く、大粒の雨や「ひょう」が降る、といったことも積乱雲が近づく兆しです。練習中にこうした兆しが見られた場合はバットなど長い道具は手放し、ベンチや木の近くなどではなく、四方を囲まれた建物(校舎等)や車の中など安全な場所に避難しましょう。

万が一落雷事故に遭遇したときは、救急車を要請し、雷を受けた人を安全な場所に移動させて心肺蘇生法(AEDを含む)を実施します。倒れた人を触っても雷の電気は残っていませんので救助する人が感電することはありません。迅速な応急処置が人命救助につながります。落雷に対する正しい知識と遭遇時の対応についてもしっかりと確認しておきましょう。

著者プロフィール

アスレティックトレーナーの西村典子さん
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
東海大学スポーツ教育センター所属、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS, NSCA-CPT。学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
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