ニュース 2017.08.14. 18:04

熱中症の要因にもなる「寝不足」を解消する3つのポイント!

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「寝不足」を解消する3つのポイント


試合前に緊張して寝つけなくなったり夜遅くまでスマホを眺めているなど生活習慣の乱れによって慢性的な寝不足が続き、体力的・精神的な疲労が蓄積されたりといったことが、翌日のコンディション不良をまねき、熱中症を引き起こすことがあります。

ただ暑い時期は寝苦しさを感じ、「なかなか寝つけない…」と悩む選手も多くいるかもしれません。

眠気は体が冷えるときに感じる

人間の体は体温が下がるときに眠気を催すといわれており、たとえば入浴して体を温めた状態から少しずつ体が冷えていく(=体温が下がる)ときにより眠気を感じやすくなります。寝つきが悪いと感じる人は就寝前に入浴して体を温め、少し冷えたところで布団に入るようにするとよいでしょう。

あまり熱いお湯につかってしまうと交感神経を刺激して、逆に目が冴えてしまうので、少しぬるめのお湯につかってじっくりと身体を温めるようにします。暑くて湯船につかることが苦手という場合は、薬局などで手に入るハッカ油を1、2滴垂らすようにするとメンソール効果で驚くほど爽快感が得られます(ただし入れすぎは寒気を感じてしまうので注意しましょう)。

寝苦しい夜は「頭寒足熱」

夏は夜でも外気温が下がらず、寝苦しい夜を過ごすことも少なくありません。そんな時は貼るタイプの冷却シート水枕濡れタオルなどでおでこや頭を冷やしてみましょう

これは「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」といって頭を冷やし、足を温めるのは昔から伝わる自然の知恵。しばらく頭を冷やすと意外とスムーズに寝つくことができます。

またクーラーはずっとつけっぱなしにするのではなくタイマー設定を活用し、成長ホルモンが活発に促される3時間程度をめどにクーラーが切れるようにします。室内の温度は外気温との差を5℃前後に保ち、26〜28℃にしておくことが理想的です。

自律神経の働きを理解しよう

よい睡眠をとるためには人間の活動を司る自律神経の働きを理解しておくことも大切です。自律神経には「興奮モード」である交感神経と、「鎮静モード」である副交感神経があり、双方がうまく作用することによって活発に動いたり、リラックスしたりといった行動を支配します。

寝るときには、リラックスモードである副交感神経が優位に働くようにしたいのですが、就寝直前までパソコンやスマホを眺めていると交感神経が刺激され、なかなか寝つけなくなるので注意が必要です。

入浴後のストレッチは柔軟性を高める本来の目的だけではなく、副交感神経を優位にして寝つきをよくするのでぜひ習慣にしたいところですね。

著者プロフィール

アスレティックトレーナーの西村典子さん
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
東海大学スポーツ教育センター所属、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS, NSCA-CPT。学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
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