コラム 2016.09.28. 12:00

上原浩治&田沢純一 レッドソックスを世界一に導くか

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レッドソックスの上原浩治(左)、田沢純一(右)

田沢のリリーフ通算登板は球団史上4位


 MLBのレギュラーシーズンも残り僅か。いよいよワールド・チャンピオンを目指したプレーオフの戦いがはじまろうとしている。田沢純一と上原浩治が所属しているボストン・レッドソックスは、アメリカン・リーグ東地区の首位。3年ぶりの地区優勝をほぼ確実にし、プレーオフに向けて調子も上げてきた。

 そのなかで、日本人投手のふたりもチームに貢献している。田沢は52試合に登板して3勝2敗、チーム最多の16ホールド。防御率4.25と一時のような安定感がないこともあり、最近は大量リードやビハインドでの場面での登板が多いが、レッドソックスのブルペンに欠かせない存在には変わりない。また、リリーフとして通算297登板は、レッドソックス歴代4位の数字である。

 上原は開幕から順調に登板を重ねてきたが、7月19日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦で右胸筋を痛め故障者リスト入り。9月8日のサンディエゴ・パドレス戦で復帰登板を果たした。ここまで48試合に登板し2勝3敗7セーブ、防御率3.60。防御率は昨季より1点以上悪くなり、レッドソックス移籍以降では最低の成績である。

 ただ、復帰以降は9試合連続無失点、8イニングで5安打しか許さず11三振を奪っている。クローザーのクレイグ・キンブレルにつなぐセットアッパーとしての役割をしっかり果たしていると言えるだろう。


リリーフ陣が整備されたレッドソックス


 7月のトレード期限前、レッドソックスは「ブルペンの補強が必須」と言われていた。しかし、上原の復帰以降は役割が明確となり、9月のリリーフ防御率はMLBでもトップクラスだ。MLBでの屈指のブルペンに変貌したのである。

 シーズン途中にアリゾナ・ダイヤモンドバックスから移籍してきた、右の変則タイプのブラッド・ジーグラーが重要な場面で起用され、左腕のロビー・ロスはワンポイント。三振がほしい場面では、高速シンカーを操るジョー・ケリー。そして、上原からキンブレルにつなぐのがパターンだ。

 振り返れば、この流れはワールド・チャンピオンに輝いた2013年に似ている。2013年も前半はケガ人が相次ぎ、ブルペン運用に悩まされた。ところが、シーズン中盤に田沢、上原の勝ちパターンとなってから快進撃を見せ、プレーオフでも圧倒的な強さでワールド・チャンピオンまで上り詰めた経緯がある。上原は2013年のリーグチャンピオンシップで1勝3セーブを記録し、MVPを獲得。ワールドシリーズでは日本人初の胴上げ投手となった。

 2013年と比較すると、今季は田澤や上原が担っている役割こそちがうが、チームが3年前の再現を果たす可能性は十分にある。

文=京都純典(みやこ・すみのり)

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