ニュース 2019.01.24. 15:40

筒香嘉智選手が語った、トレーニング、指導者、少年野球(前編)



現状、目につくのは「先に答えを与えていく」指導者です。選手が自分で考えて動いていないのをよく目にします。そして長時間の練習です。子どもたちは骨もしっかりできていません。そんな状態で長時間練習すれば、怪我のリスクが凄く高まります。無理やりやらせて怪我をすることもあります。その二つが問題だと思います。

プロの世界でも「ああしなさい」と先に答えを言うコーチはかなりいます。また、技術的なミスを怒ったり、できないことを怒ったりする指導者もいます。

少年野球で、飛んできたボールを捕れなくて怒られたら、子供たちは次のボールが飛んできたときに「また怒られる」という思いがよぎると思います、

本来は、守備なら「いいプレーしてやろう」、打席なら「いい当たり打ってやろう」と思うところが「打たなければ怒られる」「ミスしたら怒られる」という回路になってしまうと、子供たちが尻込みしてしまいます。これも良くないと思います。

「ああしなさい」という指導者は、自分が受けてきた指導の経験をそのまま子どもたちに言っている場合が多いと思います。

言葉は悪いですが、頭の中でアップデートさされていません。時代は大きく変わっています。昔のいいところももちろんありますが、今は変えないとといけないこともたくさんあります。頭がアップデートされていない状態で教えるのは、子供たちのためになっていないと思います。

良いコーチは、まず「会話」がしっかりできます。当たり前のことですが、できないコーチも多いです。「ああしろ」「こうしろ」だけで終わる指導者も多いように思います。ちゃんと会話ができていたら選手と指導者の間に「僕はこっちを選びます」という会話が成り立ちます。



また僕は、指導者の方が「子どもたちのことを本気で考えているのかな」とも思います。自分の満足のために、「こうしたい」と思ったことだけを伝えているのではないかと思うことがたくさんあります。

野球選手になるにしても、野球をやっていて社会に出るにしても、自分で考えて行動し、先を読んで行動できないと、通用しないと思います。そういう指導をする必要があると思います。

コーチングのコーチとは「馬車」のことだそうです。馬車のように子供たちをどこかに導いてあげるのが本来の仕事なのに、それができていない指導者が多いように思います。

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