ニュース 2019.07.24. 12:00

【智弁和歌山】中谷監督が考える理想のリーダー、キャプテン像



■キャプテンはプロ野球で言えばヘッドコーチ


最初に入団した阪神では野村克也氏、移籍した楽天では星野仙一氏、トライアウトを受けて入団した巨人では原辰徳氏と、球界を代表する監督の下でプレーした。
「こういう時に星野さんはこんなことをやるだろうなとか、野村さんならこうボヤキそうだなとか、今でも考えてしまうことがあるんですよ。自分は試合に出る機会が少なくてベンチでは監督の前に座ることが多かったので、監督とヘッドコーチの会話に聞き耳を立てていました。その中でも勉強になることは多かったですね」。

プロの世界でも自分の居る場での目配りを惜しまず続け、母校にコーチとして戻ってきた17年以降も、後輩となる選手らに常に周りを見ることの重要さを説いてきた。実際、「中谷監督に相手投手のクイックなどをしっかり見ておけと言われて、相手を読むことの大事さが分かりました」と話す選手もいる。
「キャプテンというのは、プロ野球でいうヘッドコーチのような役割だと思います。ピッチャーや内野手、外野手のカテゴリーにそれぞれリーダーがいるとして、監督の意見をキャプテンが間に入って聞いてそのリーダーに伝えて、情報を選手間にどんどん下ろしていく、という感じですかね。大きなものを動かす時、率先して引っ張るのがキャプテンで、周りから的確な指示をしてあげるのが監督の役目だと思うんです。そのキャプテンが、どれだけ大きな声を出して引っ張れるかでしょう」と話す。

高嶋監督の後を受け継いで就任した監督としての自己評価は「未熟ですね。まだまだです。今の自分は率先して体を動かして、キャプテンの上のキャプテンをやっているような感じです」と苦笑いを浮かべるが、監督であれキャプテンであれ、リーダーのあるべき明確な姿は「ちゃんとした答えはない」と中谷監督は言う。強いて挙げるとすれば、周囲を見渡せる観察力や鋭い嗅覚を持つことなのかもしれない。そういった感覚は、磨けば磨くほど野球界のみならず社会に出た時には必ず役に立つ時が来るはずだ。(取材・写真:沢井史)

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