ヤンキースは1992年が「最後の負け越し」
日本から少し遅れて本格的なキャンプがスタートしたメジャーリーグ。今年も停滞したFA市場では、目玉のひとりであったマニー・マチャドの去就問題がようやく決着。パドレスと10年総額300億円超えという超大型契約を結んだ。
パドレスは強豪ひしめくナ・リーグ西地区において近年は低迷を続けており、2010年に90勝72敗と勝ち越したのを最後にシーズン勝ち越しから遠ざかっている。打線の核となるマチャドの加入で上位進出なるか、注目が集まる。
ちなみに、そのパドレスよりも1年長く低迷しているのがマーリンズ。2009年を最後に9年連続でシーズン勝ち越しから遠ざかっているが、このオフも目立った動きはなし。再建途上にあって、低迷はもうしばらく続きそうだ。
反対に、シーズン負け越しから最も遠ざかっているのはヤンキース。なんと最後に負け越したのは27年前の1992年のこと。今では想像もつかないが、当時は1989年から4年連続で負け越すなどという低迷期にあった。それでも、1993年からは順調に勝ち星を伸ばして行き、昨季まで実に26年連続でシーズン勝ち越しを継続している。
世界一から最も遠ざかっているのは…
続いて、「最後のワールドシリーズ制覇」から最も時間が経っているチームはどのチームだろうか。
その前に、実は未だ世界一を経験していないチームが7チームもあるので触れておきたい。レンジャーズ、マリナーズ、レイズ、ナショナルズ、パドレス、ブリュワーズ、そしてロッキーズ。彼らはこれまでに世界一の美酒を味わったことがない。ちなみに、マリナーズとナショナルズに関してはワールドシリーズの出場経験もゼロだ。
世界一を経験したチームの中で、最も遠ざかっているのがインディアンス。2016年のワールドシリーズでカブスと死闘を演じたことが記憶に新しいが、最後にワールドシリーズを制したのは1948年のこと。70年以上も頂点から遠ざかっている。
一方、「最後のワールドシリーズ出場」から最も遠ざかっているのはパイレーツ。出場回数は通算7度と少なくないが、最後の出場はというと1979年。40年近く大舞台から遠ざかっている状態だ。
ちなみに、「最後の地区優勝」から最も遠ざかっているのもパイレーツ。2013年から3年連続でポストシーズンに進んでいるが、実はいずれもワイルドカードからの出場で、地区優勝は1992年が最後。当時はナ・リーグ東地区の所属で1990年から3連覇を果たすなど強さを見せていたが、以降はヤンキースと入れ替わるように低迷期に突入。1993年から2012年まで20年連続でシーズン負け越しという屈辱を味わっている。
また、地区優勝を一度も成し遂げたことがないというチームもあり、例えばマーリンズがそのひとつ。マーリンズは2度の世界一を経験しているが、それは共にワイルドカードからの快進撃によるものだった。
加えて、マーリンズと同じ1993年に誕生したロッキーズも地区優勝がない。2007年にはワイルドカードから勝ち上がってワールドシリーズには出場したが、その時はレッドソックスに1勝4敗で敗れている。
文=八木遊(やぎ・ゆう)