もう後がない38歳左腕
ファームで戦うのは、明日を担う若者だけではない。もう一度輝きを放つべく、もがき苦しむ男たちも戦いの日々を送っている。
8日、鎌ヶ谷で先発した左腕がその一人。日本ハムの武田勝である。
かつては先発陣の柱としてシーズン14勝を挙げるなど活躍。2009年から2012年にかけては4年連続で2ケタ勝利をマークした。
チームに欠かせない存在であった男だが、今年は開幕からここまでずっとファームでの生活。このままいくと、キャリアで初となる一軍登板なしでシーズンを終えることになる。
一軍は奇跡の逆転優勝へ向け、ソフトバンクとデッドヒートを繰り広げている真っ最中。大谷翔平が野手専念していた期間や、メンドーサ、吉川光男ら先発陣に欠員が出た時期もあったが、男には声がかからなかった。
それも仕方がないことなのかもしれない。ファームでも苦戦が続く左腕は、8日の試合前の時点で21試合に登板し、2勝8敗1セーブで防御率は4.30。かつてのエース左腕からしたら信じがたいような成績が残っている。
迎えた8日の試合でも、2回に巨人の将来の主軸候補である岡本和真に一発を浴びて3失点。一発以外は粘りの投球で5回まで投げたものの、打線の援護なく9敗目がついた。
今年で38歳。ここまで一軍登板なく、二軍でも成績が残せないとなれば、もう後がないと言っても過言ではないだろう。
この苦境から這い上がり、もう一度輝く舞台に立つことができるか。ファームを見る楽しみは、若手だけではない。
9月8日のイースタン・リーグ試合結果
▼ 日本ハム 2 - 3 巨人(鎌ヶ谷)
巨|030 000 000|3
日|010 000 100|2
[勝] 中川(5勝1敗)
[負] 武田勝(2勝9敗1セーブ)
[本]
巨:岡本(17号)
日:
▼ ヤクルト 2 - 11 ロッテ(戸田)
ロ|000 028 100|11
ヤ|000 000 200|2
[勝] イ・デウン(9勝7敗)
[負] 石山(0勝1敗)
[本]
ヤ:
ロ:
▼ 楽天 降雨ノーゲーム DeNA(泉)
9月8日のウエスタン・リーグ試合結果
▼ ソフトバンク 3 - 6 中日(タマスタ筑後)
中|000 203 100|6
ソ|011 000 100|3
[勝] 伊藤(8勝4敗)
[負] 松本(3勝1敗)
[本]
中:なし
ソ:なし
▼ オリックス 10 - 6 広島(神戸サブ)
広|000 010 500|6
オ|102 132 10X|10
[勝] ミッシュ(3勝4敗)
[負] 高橋樹(1勝4敗)
[本]
オ:縞田(3号)
広:プライディ(8号)