コラム 2020.06.06. 08:00

MLBヒットスタジオ2020 後編【ボクたちにはMLBが必要なんだ!】

無断転載禁止

野球ソングベスト10


 アメリカのスポーツ専門メディア『THE ATHLETIC』にて先日発表された「The 30 Greatest Baseball Song」、野球ソングベスト30。いよいよベスト10にランクインした曲の中から、私MOBYがセレクトしたものを紹介させて頂きます。

▼ 第10位:Go Cubs Go / Steve Goodman

 リグリー・フィールドでカブスが勝利した際に流れ、ファンが「W」フラッグを掲げながら大合唱するのがこの曲。シカゴで生まれ育ち、生粋のカブスファンだったスティーブ・グッドマンというフォークシンガーが、地元ラジオ局WGNに依頼されて1984年に録音されたナンバー。

 その年カブスは1945年以来39年ぶりの地区優勝を果たしたのですが、グッドマンは優勝決定直前に白血病のために死去。この曲はチャリティーシングルとしてリリースされ7万枚以上の売上を記録しました。

 時を経て2007年、地区優勝を果たした際にリグレーで久しぶりにこの曲が流れた際、当時の監督ルー・ピネラが「ファンが大合唱をしているのを見て思わず涙した」ことから、現在も勝利の賛歌として愛唱されております。

 2016年のワールドシリーズGame5をボクは現地で観戦し、この曲を大合唱して選手達をクリーブランドに送り出したことは一生の思い出です……。


▼ 第8位:Tessie / Dropkick Murphys

 もともとは1902年にブロードウェイで上演が始まったミュージカル「The Silver Slipper」の挿入歌。1901年にレッドソックスがボストン・アメリカンズとして創設した直後から、「Royal Rooters」と称されるファンたちがチームを鼓舞する応援歌として愛唱していたそうです。

 1903年のワールドシリーズでは対戦相手のピッツバーグまでファンたちが押しかけ、敵地でもこの曲を大合唱し、アメリカンズは見事にチーム初の世界一に。時は流れて2004年、あの“バンビーノの呪い”を解くためにこの曲を蘇らせたのは、ボストン出身のアイリッシュ・パンク・バンド、ドロップキック・マーフィーズ。

 最終的に呪いを打ち破り、86年ぶりに世界一に輝いたワールドシリーズにて、この曲は球団公認の応援歌として採用されました。彼らの曲で日本でも馴染みがあるといえば、千葉ロッテの応援がきっかけで今や高校野球での定番応援歌となっている「For Boston」。皆さんも聞き覚えがあるのでは?


 ちなみに5月29日には、Dropkick Murphysがフェンウェイ・パークで無観客ライブを開催。しかもスペシャルゲストが、前編の第18位で紹介したBruce Springsteen! そしてこのライブの模様がフルサイズでMLB公式にUPされておりますので、是非ご覧下さい!

☆ 00:52:00~「Tessie」
☆ 01:54:40~ Bruce Springsteen登場



▼ 第4位:All The Way / Pearl Jam

 アメリカを代表するオルタナティブ・ロック・バンド、Pearl Jamのヴォーカルを務めるエディ・ヴェダーはシカゴ出身にして最も有名なカブス・ファンのひとり。2016年、カブスが108年ぶりに世界一に輝いた際も選手たちと一緒にシャンパン・ファイトに混ざっていました。

 そんな彼のヒーローでもある、カブスを代表する選手“Mr. Cub”ことアーニー・バンクスから「カブスのために曲を書いてくれないか」とリクエストされ2008年にこの曲を発表。2013年にPearl Jamが初めてリグリー・フィールドでライブを行った際、エディはアーニーをステージ上に招き一緒にセッション。アーニーにとってはこれが生前最後の勇姿でもありました。

 アーニーは愛するカブスが世界一に輝く姿を見ることなく惜しくも2015年1月に他界しましたが、その翌年にカブスは「All The Way」に到達。恐らくアーニーの意志も一緒に。


▼ 第2位:Catfish / Bob Dylan

 ボブ・ディランは知る人ぞ知る野球ファン。かつて「野球で100マイルの速球を打ってみたい」「自分は音楽で様々な体験をしてきたけど、息子のリトルリーグの試合を観ている時ほど興奮したことはない」と発言し、来日公演中の2012年には札幌ドームで高校の先輩後輩同士、現在は二人ともアメリカで活躍する大谷翔平と菊池雄星の投げ合いを観戦しているエピソードもあります。

 さて、この曲は1975年にディランが作詞作曲した唯一の野球ソング。殿堂入り投手キャットフィッシュ・ハンターのことを歌ったナンバーです。趣味がナマズ釣りだったことからアスレティックスのオーナーに「キャットフィッシュ(ナマズ)」と名付けられ、1972~74年のワールドシリーズ3連覇に貢献しました。

 そのオフに史上初のフリーエージェント選手となりヤンキースに移籍。田舎者が100万ドルもらってヤンキースに入り派手な格好になって昔のチームメイトを打ち取る、といった、ちょっとシニカルな内容になっています。


▼ 第1位:Cubs in Five / The Mountain Goats

 栄えある第1位なんですが、カブスファン歴25年のボクでさえこの曲は知りませんでした……。

 1991年結成、現在も地道にインディ・シーンで活動しているベテランバンドが1995年に発表した曲。カブスが依然として弱かった時代に、同じく今では強豪チームとして名を馳せる、当時弱小のNFLタンパベイ・バッカニアーズと共に「弱いチームも、いつか強くなるときはやって来る」と歌っています。

 この曲が1位になったのは、どうやらこの記事を書いたRustin Dodd氏の思い入れもあるようで……。

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 いかがでしたでしょうか? チームを鼓舞する曲、往年の名選手からリクエストを受けて作られた曲。また登場するチーム名や選手の名前によって、時代や世相、歌詞の真意なども味わうことの出来る野球ソングの数々。手前味噌ですが、スポーツ専門チャンネル『J SPORTS』にて「MLBミュージック」という番組を、またMLB専門誌『Slugger』にて「ベストヒットMLB」というコラムを、どちらもMLBと音楽を題材にしていますので、宜しければそちらもチェックお願いいたします!


文=オカモト“MOBY”タクヤ(おかもと“もびー”たくや)

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