コラム 2024.03.17. 08:00

プロ選手を続々輩出する「京都国際」にまた注目候補が…エース・中崎琉生の実力を診断する!

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京都国際・中崎琉生選手【写真提供・プロアマ野球研究所】
 近年の近畿地区で“最も勢いがある高校”と言えば、京都国際ではないだろうか。2021年の選抜で甲子園初出場を果たすと、同年の夏の甲子園では準決勝に進出。翌年の春は選抜出場を決めていながら、チーム内の新型コロナウィルス感染拡大で出場辞退となったものの、夏には2年連続の甲子園出場を果たしている。また2019年日本ハム3位の上野響平(現・オリックス)を皮切りに5年連続、合計8人もの選手がドラフトで指名されている。公式戦で結果を残しながら、選手をプロに輩出している点も見事である。今年の京都国際でチームの大黒柱と言えるのが、エースの中崎琉生だ。

▼ 中崎琉生(京都国際) 
・投手 
・176センチ/74キロ 
・左投左打

<2023年秋季大会成績>
8試(62回) 防御率0.73 
奪三振52 被安打40 失点8(自責点5) 四死球8
奪三振率7.55 被安打率5.81 四死球率1.16

<主な球種と球速帯>
ストレート:134~143キロ
カーブ:110~115キロ
スライダー:123~126キロ
カットボール:128~130キロ
チェンジアップ115~118キロ

<クイックモーションでの投球タイム>
1.33秒

 中崎は兵庫県西宮市の出身で、中学では近畿地区でトップクラスを誇る「関メディヤング」(現在はポニー・リーグに移籍)でプレーしている。筆者が初めてピッチングを見たのは、一昨年11月に行われた「くまのベースボールフェスタ練習試合」の対津田学園戦だ。

 筆者のスピードガンでの最速は130キロとスピードこそまだまだだったものの、バランスの良いフォームで安定した投球を見せていた。1学年上に杉原望来(広島育成3位)、長水啓眞(ソフトバンク育成8位)といった好投手がいた影響で、その後も公式戦での登板は多くなかった。だが、昨年夏の京都大会3回戦の洛東戦では先発を任されて10奪三振を奪い、完封勝利を飾っている。

 昨年秋の新チームからは不動のエースへと成長。見事だったのが、秋の近畿大会初戦、対田辺戦での投球だ。延長10回を1人で投げ抜き、12奪三振、2失点で完投勝利をマークしたのである。10回はノーアウト一・二塁から始まるタイブレークだったが、捕手の奥井颯大(新3年)の盗塁阻止もあって無失点で切り抜け、ピンチに全く動じなかった。

昨秋の公式戦で「抜群の安定感」


 特筆すべきは、制球力の高さだ。洛東戦では2個の死球を与えるも、いずれも内角を厳しく攻めた結果であり、四球は1個も与えていない。左投手の武器といわれるクロスファイヤーだけでなく、右打者のアウトコースにも狙ってストレート、カーブ、スライダーを投げることができている。前述したように内角を突くことも忘れないので、相手打者はなかなか踏み込めない。

 腕の振りは、スリークォーター気味で、ボールに独特の角度がある。この日のストレートの最速(筆者のスピードガンによる計測)は138キロとそこまでスピードがあるわけではなかったが、奪った12個の三振のうち10個が空振りだった。これも中崎の能力の高さを物語っている。

 秋の近畿大会は準決勝で優勝した大阪桐蔭に敗れたものの、秋の公式戦は8試合に登板して7完投、4完封という抜群の安定感だった。近畿地区のスカウトによると、「秋の時点では進学の可能性が高いのでは」ということ。だが、これだけの安定した左腕は貴重なだけに、選抜での活躍次第で高校からのプロ入りということも十分に考えられる。

文=西尾典文(にしお・のりふみ)
☆記事提供:プロアマ野球研究所



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