コラム 2016.10.27. 07:15

正二塁手に名乗りあげる巨人のドラフト1位・吉川尚輝

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巨人からドラフト1位指名を受けた吉川尚輝

この10年セカンドを固定できていない巨人


 先日行われた今年度のプロ野球ドラフト会議。巨人は1巡目でドラフト最注目と言われた田中正義投手(創価大)を指名。惜しくも抽選で外れ、続いて指名した佐々木千隼投手(桜美林大)も史上初となる「外れ1位で5球団重複」となった末に再び抽選を外した。そこで巨人は、即戦力投手から方針を転換。大学No.1野手の呼び声高い吉川尚輝内野手(中京学院大)を指名し、交渉権を獲得した。

 抽選を2回外しても、即戦力級の投手はまだ残っていたが、巨人が野手に切り替えたのはなぜか。そこには、若手野手の伸び悩みがある。

 近年、巨人の野手は阿部慎之助を筆頭に村田修一、長野久義、坂本勇人を中心に構成されていた。坂本はまだ20代だが、阿部、村田、長野には衰えが見えはじめている。次世代を担うであろう若手野手もなかなか結果を残せず、世代交代を計る必要があった。そのなかでも、セカンドを固定できないのが大きな課題だった。

 2006年オフに仁志敏久が退団して以降、各年で巨人のセカンドとしてスタメン出場が最も多かった選手は以下の通りである。

※()はセカンドでのスタメン出場数
2007年 木村拓哉(77試合)
113試 率.264、本2 点29

2008年 木村拓也(82試合)
124試 率.293、7本塁打、31打点

2009年 脇谷亮太(44試合)
89試 率.268 本2 点16

2010年 脇谷亮太(69試合)
132試 率.273 本7 点43(規定打席到達)

2011年 藤村大介(106試合)
119試 率.222 本0 点15

2012年 藤村大介(63試合)
109試 率.252 本0本 点10

2013年 寺内崇幸(59試合)
114試 率.225 本2本 点12

2014年 片岡治大(113試合)
126試 率.252 本6本 点32(規定打席到達)

2015年 片岡治大(97試合)
97試 率.244 本10 点36

2016年 クルーズ(71試合)
81試 率.252 本11 点37

 今年までの10年でセカンドとして100試合以上スタメン出場したのは2011年の藤村大介と2014年の片岡治大。規定打席に到達したのも2010年の脇谷亮太と2014年の片岡だけだった。2010年の脇谷は三塁手として43試合にスタメン出場しており、セカンドとして規定打席に達したのは実質、片岡だけだ。


攻守に華のあるプレーは巨人でさらに輝くはず


 こういったチーム事情もあり、即戦力の呼び声高い内野手の吉川を“外れ外れ”とはいえ1位で指名したのだろう。

 吉川は中京学院大ではショートだが、大学日本代表ではセカンドとしてプレーしており、不動のショート坂本がいることからも、プロとしてのスタートはまずセカンドからになるだろう。
 
 吉川の特長はなんといっても守備力にある。この春に行われた東海地区大学野球春季選手権で、吉川は驚愕のプレーを見せた。吉川の前で高くイレギュラーした痛烈なゴロを、慌てることなくスムーズに処理したのである。そのプレーを言葉にするのは難しいが、腰を落とした吉川の頭より数十センチ高く跳ねた打球に素早く反応した、見ている者を驚かせるようなプレーだった。あらゆる打球を想定し、準備を怠らず、柔らかなグラブさばきがあってこそのファインプレーと言える。

 打球に対する一歩目の早さ、難しい体勢からでも走者をアウトにできる正確な送球。走塁でも常にひとつ先の塁を狙う積極性と攻守に渡って華のあるプレーを見せるのが吉川である。打撃は多少苦労するかもしれないが、守備と走塁だけでも十分戦力になるに違いない。吉川の潜在能力からするに、近い将来、坂本と日本を代表するニ遊間コンビになっていても不思議ではない。巨人の新たなスター候補生、吉川尚輝がプロ野球選手としてどんなスタートを切るか、いまから来季の開幕が待ち遠しい。

※数字は2016年レギュラーシーズン終了時点

文=京都純典(みやこ・すみのり)

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