3位DeNAと4位ヤクルトは3.5ゲーム差
広島の25年ぶりのセ・リーグ優勝が決定したが、クライマックスシリーズ進出争いは混戦となっている。11日の試合が終了した時点での順位は以下の通りだ。
2位 巨人
3位 DeNA
62勝67敗3分 率.481 ゲーム差5.5
4位 ヤクルト
60勝72敗1分 率.455 ゲーム差3.5
5位 阪神
56勝73敗3分 率.434 ゲーム差2.5
6位 中日
55勝74敗3分 率.426 ゲーム差1.0
残り試合は巨人が14、ヤクルトが10、それ以外の3チームは11試合。3位DeNAと5.5ゲーム差あるため、巨人のクライマックスシリーズ進出はほぼ確実と見ていい。逆に阪神と中日のクライマックスシリーズ進出は厳しい。そうなると、3位DeNAと3.5ゲーム差で4位のヤクルトによる争いになりそうだ。
昨季、14年ぶりにセ・リーグを制覇したヤクルトだが、今季はケガ人に泣かされている。とくに野手陣は、川端慎吾、雄平、畠山和洋と主力にケガ人が相次いだ。ショートで安定した守備をみせる大引啓次もケガが多く、山田哲人も一時戦線を離れた。昨季は、主力野手のなかでウラディミール・バレンティンがシーズンのほとんどを棒に振ったが、今季はバレンティン以外の主力野手の名前がラインアップから消えたこともあった。
そのような状況でも、8月は15勝9敗と勝ち越し、クライマックスシリーズ進出争いまで巻き返した真中満監督の手腕は見事である。
DeNAとの直接対決が4試合
主力にケガ人が相次ぐなか、真中監督は西浦直亨や荒木貴裕、谷内亮太といった若手を積極的に起用している。選手がいないからと言ってしまえばそれまでだが、ひとりの選手に複数のポジションを守らせるなど、その日のベストの布陣を編み出すことに長けているように思う。また、正捕手だった中村悠平が精彩を欠いていると見るや西田明央をスタメンに抜擢し、チームの底上げを計ることも忘れない。
連覇を目指した今季、優勝争いに絡めなかったのは不本意だろう。しかし、クライマックスシリーズに進出すれば、日本シリーズ進出の可能性はある。残り10試合中、DeNAとの直接対決が4試合。今季の対戦成績は8勝13敗と負け越しているが、直接対決が多い利点を逆に生かしたいところだ。
史上初の2年連続トリプルスリーが確実の山田哲人は、対DeNAの成績が打率.269、6本塁打とセ・リーグのなかで最も悪い。筒香との本塁打王争いなどもあり、山田との勝負を避けるケースも増えるだろう。それを山田がどう打ち返すかがポイントになりそうだ。
DeNAが悲願の進出か、ヤクルトが王者の意地を見せるか。それとも阪神か中日が大逆転で滑り込むか。セ・リーグのクライマックスシリーズ進出争いは勝負の9月を迎える。
※数字は2016年9月11日終了時点
文=京都純典(みやこ・すみのり)