チーム打率、得点ともにリーグトップ
昨シーズンのパ・リーグ2位、日本ハムがじわじわと調子を上げている。
エースの大谷翔平になかなか白星がつかず、自慢のリリーフ陣もまさかの不調。投手陣の誤算から3・4月は一度も貯金を作ることができなかったが、5月に入ると13日の西武戦で今季初めての貯金生活に突入。19日のソフトバンク戦からは3連勝を収め、貯金を今季最大の4とした。
5月の月間成績を見てみると、11勝5敗1分の貯金6。これはリーグ首位を走るソフトバンクと並んでトップの好成績だ。
チーム状態が上がってきた要因の1つに、打線の復調が挙げられる。3・4月はチーム得点がリーグワースト2位の110得点だったが、5月のチーム得点93、チーム打率.274はとともにリーグトップの成績。春先に比べて、打線の状態が上がってきた。
その中でも、特にレアードと大谷翔平が絶好調。レアードは3・4月こそ打率.222、5本塁打、11打点と低調なスタートだったが、5月は月間打率.339、8本塁打、15打点。本塁打と打点は早くも前月の成績を上回っている。
“二刀流”を続けている大谷も、限られた出場機会の中で素晴らしい結果を残す。5月は12試合で打率.414、5本塁打で8打点。5月4日のソフトバンク戦から5月17日のソフトバンク戦にかけて、野手出場5試合連続の本塁打もマークした。
すでに本塁打と打点は昨季の成績を超えており、今年はシーズン20発超えにも期待がかかる。
レアードや大谷以外にも、4番の中田翔はリーグ2位の月間打点15を記録。陽岱鋼や中島卓也、西川遥輝といったところがそれぞれ調子を上げてきており、打線全体に活気が戻りつつあるのは大きなポジティブ要素になる。
守護神の増井が不安定も中継ぎ陣は安定
投手陣に目を向けると、大谷翔平にはやや苦しい投球が見られたが、それに代わるように昨年の新人王・有原航平が奮闘。ここまで負けなしでリーグ2位の5勝を挙げている。
10日のオリックス戦で7回2/3を無失点に抑える好投を見せて4勝目を挙げると、17日のソフトバンク戦では9回2失点の完投勝利。エースがここまで2勝と苦しむ中、有原がカード頭でエース級のはたらきを見せ、チームに勢いを与えている。
またリリーフ陣では、昨季39セーブを挙げた守護神・増井浩俊がここまで15試合の登板で2勝2敗の7セーブ、防御率6.28と精彩を欠く。しかし、登録抹消で再調整を行い、復帰して以降は3試合・4回を投げて1失点と徐々に立ち直りの兆しは見えつつある。
日本の厳しい「ボーク判定」に、いらついた表情を見せていた新助っ人のマーティンも、このところは安定したパフォーマンスを披露。リーグトップの10ホールドを記録している。若手の高梨裕稔が台頭し、チーム2位の18試合に登板。防御率は2.04とこちらも好投を見せる。
さらに故障で出遅れた宮西尚生も現在14試合連続無失点中。昨季は61試合に登板した谷元圭介も、5月は7試合の登板で4ホールド、防御率1.50と安定したはたらきを披露しているだけに、ここに守護神・増井が復活して戻ってくれば、ソフトバンクやロッテにも引けを取らない鉄壁のリリーフ陣が完成する。
現在5カード連続勝ち越し中。上位を猛追している日本ハム。24日からのロッテとの直接対決2連戦に勝ち越せば、ついに2位に浮上することになる。
ここに来てじわじわと調子を上げてきた日本ハムから目が離せない。