コラム 2017.11.25. 11:30

『大型野手』がなかなか育たない日本球界

“体格差”に注目


 プロ野球・2017年シーズンの総決算「NPB AWARDS 2017 supported by リポビタンD」が20日に行われた。

 当日までお楽しみとなっていた『最優秀選手賞』、いわゆるMVPはパ・リーグがソフトバンクの守護神・サファテ、セ・リーグは広島の連覇に貢献した丸佳浩が受賞。ともに7割近くの1位票を集めて文句なしの選出となった。

 壇上に並んだ2人を見て、まず気になったのがその身長差だ。193センチのサファテと、177センチの丸(※公称)。丸もがっちりとした筋肉質な体型で小さくは見えないが、実は日本人野手の中でも平均か、もしくはやや低い部類と言っていい。

 そう言えば、海の向こう・メジャーリーグでは、ホセ・アルテューベ(アストロズ)がア・リーグのMVPを受賞した。屈強な男たちに混じってプレーする“小さな巨人”の身長は約168センチ。MVP投票で次点に食い込んだアーロン・ジャッジ(ヤンキース)が約201センチだから、2人の身長差はなんと33センチにもなる。小兵のアルテューベがメジャーの中でも大型の部類に入るジャッジを寄り切り、堂々のMVPを獲得した。

 大きな体躯を持つ選手はそれだけで背負う期待も大きくなりがちであるが、体が小さいからと言って活躍するハードルが高いとは限らない。特に野手に関しては、近年は苦戦を強いられている印象の方が強い。

 というわけで今回は、日本人野手の「大」「小」に注目。今季開幕時点のプロフィールより、190センチ以上の選手と168センチ以下の選手の成績を以下にまとめてみた。(※プロフィールはNPB公式サイト参照)


日本人野手の身長比較


▼ 190センチ以上
・伊東亮太(楽天)※育成
194センチ 3年目/28歳
[今季成績] 一軍出場なし
[通算成績] 8試 率.273(22-6) 本2 点2
⇒ 戦力外通告

・大谷翔平(日本ハム)
193センチ 5年目/23歳
[今季成績] 65試 率.322(202-67) 本8 点31
[通算成績] 403試 率.286(1035-296) 本48 点166
⇒ メジャー挑戦へ

・杉本裕太郎(オリックス)
190センチ 2年目/26歳
[今季成績] 9試 率.118(17-2) 本1 点2
[通算成績] 10試 率.100(20-2) 本1 点2

・原 泉 (ヤクルト)
190センチ 3年目/25歳
[今季成績] 一軍出場なし
[通算成績] 一軍出場なし
⇒ 戦力外通告

・幸山一大(ソフトバンク)※育成
190センチ 3年目/21歳
[今季成績] 一軍出場なし
[通算成績] 一軍出場なし
⇒ 戦力外通告


▼ 168センチ以下
・坂本一将(オリックス)※育成
162センチ 1年目・27歳
[今季成績] 一軍出場なし
[通算成績] 一軍出場なし

・水口大地(西武)
163センチ 5年目/28歳
[今季成績] 56試 率.280(50-14) 本0 点4
[通算成績] 76試 率.304(56-17) 本0 点5

・柴田竜拓(DeNA)
167センチ 2年目/23歳
[今季成績] 88試 率.233(215-50) 本1 点11
[通算成績] 107試 率.228(254-58) 本1 点13

・西野真弘(オリックス)
167センチ 3年目/27歳
[今季成績] 100試 率.234(282-66) 本2 点21
[通算成績] 300試 率.263(1011-266) 本7 点76

・三輪正義(ヤクルト)
168センチ 10年目/33歳
[今季成績] 16試 率.000(4-0) 本0 点0
[通算成績] 393試 率.244(246-60) 本0 点15


 こうしてみると、今季開幕時点での高身長上位5名のうち、実に3名が自由契約に。ヤクルトを戦力外となった原はトライアウトを受験したものの、去就は未定となっている。

 また、“二刀流”の大谷も今オフのメジャー挑戦を表明しており、このままいくと190センチ超えの日本人野手はオリックスの杉本ただ一人となる可能性が高い。

 その一方で、168センチ以下の5人はどうか。“支配下最小兵”の西武・水口が守備や代走で56試合に出場を果たしたほか、二塁のレギュラーが不在となっているDeNAで柴田が88試合に出場。オリックスの西野真弘は苦しいシーズンとなったが、それでも100試合に出場を果たしている。それぞれ5名ずつの比較ではあるが、かなり顕著な傾向になった。

 恵まれた体格も、思うがままに操る技術があってこそ。また、そのポテンシャルを制御できず、体が悲鳴を上げてしまうということも大柄な選手にとっては悩みの種となる。

 近年苦しんでいる『大型野手』の台頭はあるか…。来季以降の巻き返しに期待したい。


文=八木遊(やぎ・ゆう)


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