コラム 2015.12.31. 18:00

来季は先発再転向でリベンジ! 広島・大瀬良の球歴とは?

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2年目の今季リリーフを経験した広島の大瀬良大地 [BASEBALLKING]
大瀬良大地,

鳴り物入りでプロ入りした大物先発右腕は左投げだった!?


 歴史に残る大混戦となった2015年のセ・リーグ。14年ぶりの優勝を果たしたヤクルトが歓喜に包まれた一方、わずかな差で4位に沈んだのが広島だった。勝てばCS進出決定という、10月7日の中日戦。二番手としてマウンドに上がり、敗戦投手となった大瀬良大地の涙が、悔しいシーズンを象徴していた。

 大瀬良は、1991年6月生まれの24歳。小学校と中学校の途中まで鹿児島県で過ごし、その後、長崎県で育った。鹿児島県霧島市立国分西小学校4年生のとき、「国分西軟式野球スポーツ少年団」に入団するが、6年生で右ヒジ痛を発症してしまう。霧島市立国分南中学校、長崎県大村市立桜が原中学校では軟式野球部に所属するも、痛みに悩まされる日々。医師に投球を止められ、一時期、左投げに転向したという。それでも痛みは改善せず、3年生の夏に右ヒジを手術。長崎日大高校に入学後、本来の右投げに戻ることができた。

 長崎日大高では2年秋からエースとなり、3年夏の県大会準々決勝では、その年のセンバツ優勝校である清峰高校と対戦。ドラフト候補のエース・今村猛(現・広島)に投げ勝ち、そのまま甲子園出場を決めた。甲子園では、プロ注目左腕・菊池雄星(現・西武)がエースの花巻東高校と対戦。自己最速の147キロをマークして投げ合うも、初戦敗退となった。大舞台での経験について、大瀬良は後に、「甲子園に出場したことでプロを意識するようになりました」と振り返っている。
 
 高校野球を終えた後は、プロ志望届を提出せず。今村や菊池がドラフト1位指名を受けてプロの世界に飛び込むのに対し、多くの好投手を輩出している九州共立大学への進学を決めた。「4年後はドラフト1位で指名される選手になりたい」と意識を高めて臨んだ大学野球では、1年春から主戦投手となり、いきなりリーグ戦5勝0敗。1学年上の川満寛弥(現・ロッテ)との二枚看板として、進化し続けた。

 福岡六大学リーグでは、通算38勝8敗、防御率1.07。2年春から3季連続MVP獲得、4年時には主将を任された。全日本大学野球選手権大会には1~3年生の年に出場し、2、3年時はベスト4。2年時の準決勝で敗れた東洋大学には、藤岡貴裕、鈴木大地(いずれも現・ロッテ)らがいた。同年秋の明治神宮大会では、2回戦で小川泰弘(現・ヤクルト)がエースの創価大学に0対3で敗退。1学年上の小川とは縁があり、3年時の大学選手権準々決勝でも対戦。このときは、2対0で勝利している。なお、同大会の準決勝で負けた早稲田大学には、有原航平(現・日本ハム)、茂木栄五郎(来季より楽天)らがいた。

 プロのレベルを感じながらの大学野球生活を経て、迎えた2013年秋のドラフトでは、広島、ヤクルト、阪神が1位指名。「下級生の頃からずっと見てくれていた」という田村恵スカウトが当たりくじを引き、広島への入団が決まった。


新人王獲得、まさかの中継ぎ転向……先発再転向にかける思い


 プロ1年目、期待の即戦力ルーキーとしてオープン戦から注目を集め、開幕から先発ローテーション入り。4月2日、マツダスタジアムでのヤクルト戦でプロ初登板・初先発。初勝利は4月16日までお預けとなったが、ローテーションを守り続けた。プロ1年目は、26試合、151回を投げて、10勝8敗。完投3、完封1は、先発投手として合格点といえる数字。期待通り、新人王を獲得した。

「2年目のジンクス」というイヤな言葉をささやかれた2015年も、先発の一員としてスタート。しかし、勝ち星に恵まれず、シーズン初勝利は5月に入ってから。そして、誰もが驚いた中継ぎへの配置転換が決まった。首脳陣は「降格ではなくチーム事情」と強調したが、本人は複雑な心境だった。いきなりリリーフ陣の中に放り込まれ、大事な場面を任される。「自分でいいのかな」という思いだったという。

 しっかり投げなければと自分にプレッシャーをかけ、毎日ブルペンで肩を作る日々を過ごすうち、右手中指に異変が起こる。後半、打ち込まれるケースが目立った裏には、この故障があった。しかし、中﨑翔太へつなぐ必勝リレーが確立しつつあり、離脱を申し出ることができず。そして迎えた、10月7日の中日戦だった。

 勝てば3年連続CS進出。0対0の8回、大瀬良は打者4人に投げて3失点で降板。ベンチに戻ると大粒の涙をこぼした。1安打無得点に終わった打線にも責任はあるが、「最後までチームに迷惑をかけてしまいました。自分の実力不足です」と話した。

 それから約2カ月後の契約更改では、1100万円アップの4600万円(推定)でサイン。2年目は51試合3勝8敗、20ホールド、2セーブ、防御率3.13。「不甲斐ない成績ですが、思った以上に評価していただきました」とホッとした表情を浮かべた。

 来季は先発への再転向が決まっている。エース・前田健太が抜ける穴を埋めるのは、大瀬良をおいていない。もちろん、本人もその覚悟だ。すでに「先発の軸として180~200イニングは投げないと」と具体的な数字を公言している。

 目指すは「完投できる先発」。苦難の2年目を経ての3年目、新人王に輝いた1年目を超える活躍を期待したい。

文=平田美穂(ひらた・みほ)

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