ニュース 2014.10.15. 14:11

青木が途中で下がる理由 ロイヤルズの躍進支える鉄壁の外野陣

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ロイヤルズの強さのひとつ、鉄壁の外野陣 [Getty Images]
 ロイヤルズが破竹の勢いで勝ち続けている。29年ぶりのプレーオフ進出が叶ったロイヤルズは、ワイルドカードゲームから7連勝。接戦をことごとくモノにしていて、試合をこなす度に強くなっている印象すら受ける。

 ロイヤルズの試合を見ていて気になる点といえば、青木宣親の途中交代の多さである。日本時代は俊足としての印象も強く、盗塁王を1回獲得し、ヤクルトに在籍した8年間では通算164盗塁を記録。その青木に代走が送られて途中でベンチに退くところを目撃すると、日本人の我々からしたら何事かと思ってしまう。

 理由はいくつか挙げられるが、まず大きな理由の一つが代走の切り札・ダイソンの存在である。メジャー屈指のスピードを誇る30歳は今季大半が途中出場でありながらチームトップの36盗塁を記録。誰もが盗塁とわかっている場面でもスタートが切れるのが魅力で、ワイルドカードゲームでは1点差の9回に代走で二塁に入ると、直後に三塁を陥れ、青木の同点犠飛を呼び込んだ。俊足を活かした守備も持ち味であるため、代走の後、青木に代わって守備に就くことも多い。

 青木も日本時代は6度もゴールデングラブ賞に輝き、名手として評価されていた。しかし、データ先進国のアメリカにおいて青木の守備数値はそれほど良く評価されていない。DRS(Defensive Runs Saved)という守備を計る指標がある。守備防御点と言われ、各ポジションの平均と比較し、どれだけ失点を防いだかを示す。この数値を見ると、青木は-8。チームの外野手の中で最低となっていて、平均的な選手よりも8点多く失点をもたらすという数値になる。一方のダイソンは14。青木と比較すると22点も失点を防ぐという計算になる。

 さらに、レフトを守るA.ゴードンのDRSはリーグトップの27、センターのケーンはそれに次ぐ2位の24。チームの外野手によるDRSの合計は46で、メジャー30球団中トップという鉄壁の外野陣を誇っている。青木の打撃に期待したいところではあるが、それほど得点の多くないチームにおいて、まず重要なのは失点を防ぐこと。そういった戦い方で接戦を制し、パワーで勝る相手を蹴落として来たのがロイヤルズなのだ。

 加えて、今プレーオフではディフェンスだけでなくオフェンスでも光る外野陣。ゴードンはチームトップの9打点を叩き出し、ケーンは.387の高打率をマークしている。ケーンは特にリーグ優勝決定シリーズに入ってから絶好調で、12打数8安打の打率.667と大爆発。攻守両面でチームの快進撃を支えている。

 青木は今年の6月に左脚を痛め、メジャー3年目にして初の故障者リスト入りを経験した。それでも、9月はチームを29年ぶりのプレーオフへと導く活躍を見せ、月間打率は.379を記録。リーグ優勝決定シリーズでも3試合連続安打で.333とチームに貢献しており、ケガの不安を一掃してみせた。我々としては青木を長く見たいと思うが故、あらぬ疑いをしてしまうところであるが、決して心配なことはない。これからもロイヤルズの快進撃を支える青木と、ロイヤルズ外野陣には要注目だ。

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