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“下剋上”日本一のロッテを盛り上げた、的場直樹の存在

 シーズン3位からCS、日本シリーズと一気に駆け上がる「下剋上」を見せた2010年のロッテ。この年のロッテにはムードメーカーとしてチームを支えたある移籍1年目の選手がいた。的場直樹。前年オフにソフトバンクを戦力外になった的場は、12球団合同トライアウトを経てロッテに入団。正捕手・里崎智也の戦線離脱で出場機会を増やし、74試合に出場した。同時にその明るいキャラクターから「幕張のくまだまさし」と呼ばれ選手たちはもちろん、ファンからも愛された。

 明治大からダイエー(当時)に入団した的場だったが、当時は城島健司の全盛期であり、なかなか出場機会に恵まれなかった。それでも、城島が負傷した05年にはスタメン出場が増え、城島の移籍した06年には82試合に出場した。特に同じ年のエース・斉藤和巳からの信頼は厚く、彼が先発する際には的場が捕手として起用されていた。

 誰からも愛される人柄。春季キャンプ恒例行事となっている朝の声出しでは「実家は480年目!」と寺院である実家をネタにしたり、自らを自虐したネタで笑いを取った。ロッテ移籍当初は「それはもう過去の話ですから…」と“お笑いキャラ封印”を表明した的場だったが、ロッテでもそのキャラクターは変わらなかった。その真骨頂となったのが10年7月2日・西武戦でのヒーローインタビューだった。岡田幸文、成瀬善久とともに、移籍後初めてお立ち台に立った的場はマイクを持って第一声、こう話した。

「AKB48ファンクラブ、会員番号67番の的場直樹です!」

 その一言にスタンドからは大きな笑い声がこだました。さらにインタビュアーを見て「同じ頭をしていますね」と笑いを取ることも忘れていなかった。登場曲はAKB48の曲を使用していたが「福浦さんのイタズラで…」と本人はコメント。その影響から的場の応援歌はAKB48の「みなさんもご一緒に」が使用されていた。

 翌11年、その的場が再びファンを大いに沸かせた。本拠地・QVCマリンでの5月29日の巨人戦。試合は3回途中で降雨ノーゲームとなったが、恒例となっている雨の中のヘッドスライディングに期待するファンがスタンドに多く残っていた。するとロッテ・神戸拓光、巨人・大田泰示の2人が相次いでヘッドスライディング。

 するとスタンドから自然発生で的場コールが上がり、登場曲の「ヘビーローテーション」に乗って的場は折れたバットを持って登場する。ソフトバンク時代のチームメイト・大道典嘉の打撃フォームのモノマネをすると、まずは一塁へ頭から滑り込む。さらにリードの体勢から盗塁をするように二塁へヘッドスライディング。

 そして三塁から本塁へ向かって走り、途中でヒゲダンスを入れながらヘッドスライディングを行い、最後はシート上でクロールを行いそのエンターテイナーぶりを十二分に発揮した。的場は選手からもファンからも愛されていた。

 12年に戦力外通告を受け現役を退いた的場。現在は日本ハムの二軍バッテリーコーチとして指導に励んでいる。ロッテファンは今でも的場直樹の際立った存在感を忘れていない。
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