試合中に見せる意外な一面
長嶋茂雄巨人終身名誉監督。現役時代もそうだが、天然的な素振りや言動は今でも語り継がれている。
どれほどスゴいかというと、「赤とんぼと話していたのを見た」なんて話も出るほどスゴい人なのだ。
そんな長嶋監督だが、実は大のネガティブ人間ということをご存じだろうか。以下、実際に起きていた巨人ナインの証言である。
試合の局面で劣勢になると、「ネガティブ節」が出る。ピンチの場面では「あーもうだめだ。絶対に打たれる、打たれるぞー。ほーら、打たれた」という感じだったらしい。
ギャグにもとれるのだが、長嶋監督の表情は真剣そのもので、選手としては笑うに笑えなかったとのこと。もちろん、グラウンドを離れると優しくて楽しくて、そして偉大な方なのだが、監督時代の長嶋監督のイメージは、当時の選手にとっては「ネガティブおじさん」だったという。
“天然”はもはや伝説
“天然さ”も半端じゃなかった。気になるものには、とことん気になる長嶋監督。日本中から注目を浴びた2000年のダイエーとの日本シリーズ。王貞治監督との“ON対決”の実現とあって、シリーズを前に両監督の2ショット撮影がグラウンドで行われた。
世紀の2ショットを撮影しようと100人を超える報道陣が殺到し、無数のフラッシュがたかれた。だが、当の長嶋監督はというと、なぜか横目で右前方のカメラマンにちらり、ちらりと目線をやる。
隣には王監督がいる。加えて大勢の報道陣から目線を求められるも、長嶋監督はそのカメラマンをちらりちらり。
実はこのカメラマン、長嶋番カメラとして、連日長嶋監督に密着取材をしていた方だったのだが、前日までの長髪をバッサリと切り、丸刈り姿にしてこの撮影に臨んでいたのだ。
長嶋監督は、その髪型が気になって仕方がなかった。案の定、撮影を終えた長嶋監督はそのカメラマンに歩み寄り「(髪の毛)やったの?」と、嬉しそうに声をかけていた。
監督の伝説は数知れず。いつまでも語り継がれていく。誰からも愛され、親しまれるその人間性。長嶋監督、最高です。