![無断転載禁止](https://baseballking.jp/img/blank.gif)
![](https://baseballking.jp/wp-content/uploads/2015/04/2015042300585-770x596.jpg)
![フランシスコ,](https://baseballking.jp/wp-content/uploads/2015/04/2015042300585-500x387.jpg)
その選手が打席に向かうと、球場がどよめいた。
26日、ジャイアンツ球場で行われた巨人対阪神のファーム交流戦。ホアン・フランシスコが「3番ファースト」として来日初実戦に臨んだ。188センチ・111キロの公称サイズだが、MLB時代よりかなりのオーバーウェイト気味に見える背番号21。あまりの巨体ぶりに左打席に入るだけでスタンドはザワつく。メジャー通算48発、昨年もブルージェイズで16本塁打を放ったドミニカ生まれの長距離砲。
第1打席はフルカウントから四球を選び、2打席目に三遊間を抜くヒット、3打席目は強烈な打球を放つも二塁ゴロ。一塁守備は数度の守備機会を無難にこなし、走者として出た二塁上で阪神セカンド北條に笑顔で話しかけグータッチを求める陽気さも見せた。阪神の先発が右投手の秋山だったこともあり、メジャー時代から課題とされるサウスポー相手にはまだ未知数。三振率の高いフリースインガーとして知られるだけに、今後日本の投手の変化球にどう対応していくのか注目されるところだ。
巨人の外国人野手のパワーヒッターと言えば、近年はNPB球団からの移籍組が中心。アレックス・ラミレス、タフィ・ローズ、イ・スンヨプ、ペタジーニといった他チームで日本のキャリアを始めた選手の獲得がほとんどだった。80年以上の長い球団史において、自チームで来日させた外国人野手で30本塁打以上放ったのはあのウォーレン・クロマティ唯一人。その他には、ロイ・ホワイト29本(80年)、レジー・スミス28本(83年)、ジェシー・バーフィールド26本(93年)、デーブ・ジョンソン26本(76年)、ロイド・モスビー25本(92年)、ホセ・ロペス22本(14年)、シェーン・マック22本(96年)、ゲーリー・トマソン20本(81年)といった懐かしい名前の数々。つまり、巨人自前助っ人選手の30発以上は、クロマティが来日3年目の1986年に記録した37本塁打が最後となる。
あれから29年。巨人は今季25試合で、チーム本塁打わずか9本と長打力不足に喘いでいる。現在、左太もも肉離れのため戦線離脱中の阿部慎之助は2軍で捕手として調整中。一塁のポジションはベテラン井端とレフト併用のアンダーソン、そしてフランシスコが争う形になる。果たして、新助っ人は貧打の救世主になれるのか?
ヘルメットサイズは松井秀喜クラスの2XO(約64センチ)を愛用する大砲は、27日から1軍練習に合流予定。まずは日本野球に慣れるまで焦らず我慢強く起用したいところだ。かつてクロマティとクリーンナップを組んだ原監督もこう言っている。
「男は黙ってフランシスコ」
文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)